ニホンズイセンは多年生の球根植物で、フサザキスイセンの変種とされ、江の島では12~4月に美しい花を開きます。
ニホンズイセン(日本水仙)Narcissus tazetta var. chinensis |
ニホンズイセンは多年生の球根植物で、フサザキスイセンの変種とされ、江の島では12~4月に美しい花を開きます。スイセンの原産地は中近東~地中海沿岸で、シルクロードを通って中国へ渡来したとされています。古代の中国では水辺を好む清楚な植物を「水の仙人」と呼び、この植物はのちに「水仙」と呼ばれるようになりました。日本への渡来は、修行僧が中国〈南宋の頃〉から持ち帰ったとする説、あるいはこの球根が暖流に乗って日本の沿岸に漂着し野生化したとする説などがあります。わが国では関東地方以西の本州~九州の海岸近くに野生化しており、大群生地として静岡県爪木崎や福井県越前海岸などがよく知られています。 |
ガーデンパーラの海側斜面に生えるスイセン |
江の島の龍野ヶ岡自然の森には植栽されたペーパーホワイト(フサザキスイセンの亜種)や八重咲きスイセンなどが11月下旬頃から開花します。 スイセンの属名narcissussにはギリシャ神話の伝説があり、美少年ナルキッソスが泉に映った自分の姿に恋焦がれ、憔悴しきって命を失ったが、その跡にひっそりと咲いていた花がスイセンであったという。 地下にある卵状球形の鱗茎から、長さ20~30cmの線形で平たい葉を4~6枚叢生し、葉の間から長い花径を出してその先に苞がつき、中に直径3cmぐらいの芳香ある白花を数個つけます。白色の花びら(花被片)は6枚で、中央の黄色い筒状の副花冠はよく目立ちます。 |
ニホンズイセンとペーパーホワイト |
【写真&文:坪倉 兌雄 2010-02-13】 |