小田急今昔(8)-藤沢駅-江ノ島線は、当初、辻堂寄りを江の島方面に向かう案もありましたが、利便性を考慮して藤沢駅に接続することになりました。
小田急江ノ島線開通90年今昔 (8) -藤沢駅-
2020年7月30日 (ooishi)
藤沢駅小田急線入口
1977年駅全景
2020年駅全景
1. 藤沢駅の由来
1887年(明治20年)に横浜・国府津間の鉄道が開通して、現在のJR藤沢駅ができました。かつての藤沢宿の中心から離れた場所にできた理由は定かではありませんが、以来、町の繁栄は旧東海道沿いから海寄りに移動しました。小田急江ノ島線の建設にあたっては、当初、辻堂寄りを江の島方面に向かう案もありましたが、利便性を考慮して藤沢駅に接続することになりました。このため、藤沢駅でスイッチバックして江の島に向かうルートとなったのです。藤沢の由来は大和時代にさかのぼり、往古、海は遊行寺のあたりまで入りこんでおり、淵や沢の多い土地であったことから淵沢の名がおこり、それが藤沢に転訛したといわれています。
2. 藤沢駅の昔と今
1957年当時の2・3番線ホーム
2010年の2・3番線ホーム
1957年(昭和32年)当時と最近のホームの写真です。2・3番線ホームは当時から電車の両側にホームがある形状でした。2010年(平成22年)には改札脇にあるトイレがリニューアルされました。
3. 乗降客の推移
小田急江ノ島線沿線の開発により、ターミナル駅藤沢の乗降客も1980年代以降は15万人を超えるようになってきています。
4.藤沢駅周辺
1968年頃の小田急藤沢駅
2010年の小田急藤沢駅
小田急の藤沢駅周辺にはビルが建ち、改札口の東と南はビル1階を通って外に通じています。一方、北に向けては、階段を上ってJR 藤沢駅に通じています。また、各ホームの西寄り階段を上るとJRへの専用架橋が設置されており、乗り換えの利便性向上を図っています。改札を南側に出ると車道は地上、人道は2階に分離され、左側の階段を上るとロータリー上の南北の通路を経て商店街に通じています。駅前のこの形状は、利便性の向上と利用者の安全歩行に配慮されています。
2010年の藤沢駅北口
2020年の藤沢駅北口
1977年(昭和52年)当時、さいか屋百貨店は今のビックカメラがあるビルにあり、その後、丸井百貨店、ビックカメラと変遷しています。一方、さいか屋百貨店は道路を隔てた西側に移転し、現在に至っています。北口のペデストリアンデッキは、昨年秋にリニューアルされました。
1971年当時の藤沢駅と江ノ電駅
2010年の南口駅前ロータリー
かつて、江ノ電の藤沢駅は小田急藤沢駅のすぐ向かい側にありました。1974年(昭和49年)に藤沢付近の江ノ電が高架になったことにより、ロータリーの歩道橋経由による乗り継ぎに変わりました。小田急藤沢駅は、JRや江ノ島電鉄との接続による利便性と藤沢市の人口増加に伴って、今後も発展が予想されます。
(参考文献 小田急電鉄株式会社のご厚意により各種資料の提供をいただきました。)
(市民記者 TOMU 2010年9月 更新2020 ooishi)
(市民記者 TOMU 2010年9月 更新2020 ooishi)