小惑星探査機「はやぶさ」の帰還カプセル公開展示会(3月24日~27日)と記念講演会(3月26日)が、藤沢市市制施行70周年記念事業として湘南台文化センターこども館で行われました。
「はやぶさ」帰還カプセル展示と記念講演 | ||||
湘南台文化センターこども館で、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還カプセル公開展示会(3月24日~27日)と記念講演会(3月26日)が藤沢市市制施行70周年記念事業として行われました。また、こども館宇宙劇場では全天周映画「HYABUSA~BACK TO THE EARTH~帰還バージョン・ディレクターズカット版」の上映(3月18日~4月3日)が行われています。 | ||||
4日間という短い期間の展示会でしたが約1万人の見学者が訪れました。「はやぶさ」が7年もの歳月を経て地球に帰還した奇跡のロマンと日本の技術力の素晴らしさが見学者に感動を与えました。 「はやぶさ」は、M-V-5MUSES-Cロケットで2003年5月9日、鹿児島宇宙空間観測所より打上げられ小惑星「イトカワ」へ向かいました。2005年9月にイトカワに接近、周回軌道に入りその後イトカワに着陸トライを重ねました。2005年12月にイトカワに2回目の着陸を終えて離陸したのち、燃料漏れの事故に遭遇するなど様々なトラブルに見舞われましたが、2010年6月13日、7年間の宇宙の旅を終えて地球に帰ってきました。その間の「はやぶさ」の苦難の旅の軌跡は「こども館ニュースNO83“はやぶさの旅~帰還への旅~”」に詳しく述べられています | ||||
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★「はやぶさ」帰還カプセル展示会場 3月26日朝8時集合で、帰還カプセル展示の説明と講演会ツアーが企画され、一般の公募で選ばれた200名の小・中学生たちと未来の宇宙を目指す宇宙少年団、科学少年団、および関連企業等約450名が参加しました。 | ||||
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「はやぶさ」展示会場には6個のはやぶさ展示棚があり、入いるとすぐの場所に実物の8分の1のはやぶさ全体模型が展示されていました。後の5個の展示はそれぞれに、前面ヒートシールド、後面ヒートシールド、パラシュート、インスツルメントモジュール、搭載電子機器部が展示され、メーカーの担当の方の説明がありました。 | ||||
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★「はやぶさ」記念講演会 「はやぶさ」見学後、NEC航空宇宙システムの小笠原正弘氏による記念講演会が市民シアターで行われました。講師の小笠原氏は、チーム「はやぶさ」のメンバーで、「いとかわ」への着陸に使われたターゲットマーカーやフラッシュランプを手掛けると同時に軌道姿勢系の責任者としてチームのまとめ役を務めました。 数々のトラブルに見舞われながら7年60億Kmの宇宙の旅の末地球に帰還した「はやぶさ」のプロジェクトを通して、これからの未来を担う若い人たちへの困難に打ち勝つメッセージ「みんなで協力し知恵を出して頑張れば成し遂げられる」が印象的でした。 | ||||
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「はやぶさ」のミッションは、小惑星イトカワに着陸し石を持ち帰ることでした。イトカワは全長が540m。広い宇宙の中で見つけるのも大変なのに、そこに2年掛りでこれも小さな衛星510Kg(1m×1.8m×2m)を送り込み、着陸させて石を持ち帰ることに「卓越した技術と諦めない気持ち」で挑む。旅程60億Kmの旅の末に衛星は大気圏の熱で溶けましたが、採取したイトカワの砂を乗せたカプセル(直径40cm,重量17Kg)は地上6万Kmで衛星から切り離されてオーストラリアのウーメラ砂漠に無事帰還。ビデオで流された「お帰り!」というプロジェクトメンバーの叫びは、7年間の緊張感を爆発させた喜びの叫びだったのであろう。 | ||||
最後に、印象に残った講師の言葉を記します。 ・私たちは知っている。もう一度エンジンに火をともそう。 ・本当の強さは、強靭な冗長性の設計。 ・すでに次の2014年に「はやぶさ2」が計画されている。「はやぶさ2」のミッションは生命の起源を知ること。 なお、「はやぶさ」の特集がTVで見られます。4月3日(日)フジTVで午後7:00~放映予定です。 | ||||
(市民記者 TOMU) | ||||