マサキは常緑の低木で、江の島では海側の林や龍野ヶ岡広場などに自生しています。
江の島の植物・樹木≪マサキ≫
2012年10月13日
マサキ(柾) Euonymus japonicus ニシキギ科ニシキギ属
マサキは常緑の低木で、北海道南部から本州、四国、九州、小笠原に分布し、潮風にも強く海岸近くの林などに
生え、江の島では海側の林や龍野ヶ岡広場などに自生しています。マサキは比較的生長が早く枝葉が蜜になり、乾燥や刈り込みに強ことなどから生垣によく利用されていますが、材としては低木のためにほとんど利用されていません。
江の島の海辺の山側に咲くマサキの花
和名は年中青い葉を付けることに由来し、マサアオキ(正青木)が転じてマサキに、葉がよく茂るので
マセキ(間塞)から転じた、などの説があります。同じニシキギ属のツルマサキ(E. fortunei)は常緑のつる性で、茎から気根を出して他の木や岩に這い上がって生育しますが、葉、花、蒴果ともにマサキに比べてやや小型です。
マセキ(間塞)から転じた、などの説があります。同じニシキギ属のツルマサキ(E. fortunei)は常緑のつる性で、茎から気根を出して他の木や岩に這い上がって生育しますが、葉、花、蒴果ともにマサキに比べてやや小型です。
蒴果が開裂し朱色の仮種皮に包まれた種子が現れる
他の木にはいのぼるツルマサキ
マサキの樹高は2~6m、若木の茎や枝は丸くて緑ですが、次第に樹皮は灰褐色に変わり、縦に裂け目がはいります。葉は楕円形または倒卵形で長さは3~7cm、対生してふちに鈍い鋸歯があり、革質で厚く表面に光沢があります。花期は6~7月、葉腋から小型の集散花序を出し、径5~10㍉の淡緑色の花を付けますがあまり目立ちません。花は両性花で花弁、萼、雄蕊(ゆうずい)はそれぞれ4個ずつ、雌蕊(しずい)は1個です。蒴果(さくか)は5~8㍉の球形で秋には熟して黄白色となり、12~2月に開裂して朱色の仮種皮に包まれた種子が
垂れ下がります(写真参照)。
生物学的には果皮が乾燥した状態に熟する果実を乾果、果皮が軟らかくて汁気の多い果実を液果として区別しますが、マサキは乾果に分類されます。成熟すると心皮の数だけ縦に裂け目が生じますが、このような裂開果を「蒴果」と呼びます。いわゆる複数の心皮がくっつきあって一つの乾果になっているのです。心皮とは子房壁をつくる一枚一枚の分化した葉をいいます。蒴果は多様で、植物により裂け方や種子の飛ばし方にも違いがあり一様ではありません。
垂れ下がります(写真参照)。
生物学的には果皮が乾燥した状態に熟する果実を乾果、果皮が軟らかくて汁気の多い果実を液果として区別しますが、マサキは乾果に分類されます。成熟すると心皮の数だけ縦に裂け目が生じますが、このような裂開果を「蒴果」と呼びます。いわゆる複数の心皮がくっつきあって一つの乾果になっているのです。心皮とは子房壁をつくる一枚一枚の分化した葉をいいます。蒴果は多様で、植物により裂け方や種子の飛ばし方にも違いがあり一様ではありません。
仲間のツルマサキは常緑のつる性で茎から気根を出して岩や他の木に這いのぼり生長しますが、花期や蒴果の形状などはマサキとほぼ同じです。同じニシキギ科ニシキギ属のマユミ、コマユミ、ニシキギ、ツリバナ、サワダツ、ヒロハツリバナなども蒴果をつけて種子を垂らしますが、これらは常緑のマサキに対していずれも落葉低木です。江の島の参道傍などには、黄色い斑入りの園芸品種キフクリンマサキ(E. fortunei)なども植栽されています。1~2月、龍野ヶ岡自然の森を訪れるとニホン水仙の花が至る処に咲き、緑のマサキの葉の間からは成熟した蒴果が
4開裂し、朱色の鮮やかな仮種皮(かしゅひ)に包まれた種子が現れて人目を引きます。
【写真&文:坪倉 兌雄】
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2019年3月10日