地区探訪（その12）鵠沼地区 
もともと鵠沼地区は、その名前が示すように湿地や沼が多く、鵠（クグイ、ハクチョウの古名）が飛来していたのが地名の由来とされています。桜小路公園の蓮池や下藤ヶ谷公園の緑の沼が往時の名残をとどめています。

地区探訪（その1２)鵠沼地区

　　　　 2013年4月16日

藤沢市内のいろいろな地区を順に紹介しています。第12回目は、鵠沼地区です。
もともと鵠沼地区は、その名前が示すように湿地や沼が多く、鵠（クグイ、ハクチョウの古名）が飛来していたのが地名の由来とされています。桜小路公園の蓮池や下藤ヶ谷公園の緑の沼が往時の名残をとどめています。

ひとこと紹介	明治の半ばから鵠沼海岸は海水浴場として開かれていた。海岸地区は日本初の計画的別荘地として分譲が行われ、明治35年（1902）の藤沢～片瀬間の江ノ電の開通により、地域の開発は本格化した。さらに昭和4年（1929）小田急電鉄の開通により住宅地としての開発も進んだ。
主な街並み	東西の境川と引地川にはさまれた地区。藤沢駅を起点に、小田急は本鵠沼と鵠沼海岸を経て片瀬江ノ島駅に至る。江ノ電は石上、柳小路、鵠沼、湘南海岸公園から江ノ島に至る。本鵠沼駅から鵠沼海岸駅の間、および、鵠沼駅から海岸方面に抜ける道は旧別荘地の中を抜ける小道であった。ところどころ残っているクロマツの並木が美しい。
こんなポイント	石上駅の東、境川を背に市民会館、秩父宮記念体育館があり、西には、境川の古い屈曲流路跡といわれる蓮池がある。7月末から8月には美しい蓮が見られる。

【引地川緑道】
昭和45年（1970）4月1日供用開始。上流に向かって整備がすすめられており、現在、大庭の引地川親水公園を経て、湘南台地区にも一部開設しています。

太平橋付近右岸　年々サクラの樹が大きくなり花を楽しめる木が多くなってきた。	カヌーの練習をする人、ここから五輪選手も。左前方に鵠沼運動公園プールの建物が見える。
【引地川河口と県立湘南海岸公園】
公園は、引地川河口隣のサーフビレッジエリアから、海風のテラスエリア・新江ノ島水族館エリアまで波打ち際を広く続く。

鵠沼橋から引地川河口、　サーファーが多く集まる。潮流が複雑で、毎年、海が荒れた時事故が起こる	湘南海岸公園　広い公園の最西端、引地川河口隣、サーフビレッジ、平和の像、津波避難デッキ
【旧別荘地地区】
	動画を一つご覧ください。｢わがまちCMコンテスト2010｣特別賞受賞作品。製作は、湘南ふじさわシニアネット　伊藤外美子さん。「歴史と文学に興味がわき、実際に街を歩いてみたくなるような内容でした」とは審査員のコメントでした。動画を見るには左の画像をクリックしてください。

明治19年（1886）鵠沼海岸の海水浴場がオープンした当時、新橋から藤沢まで国鉄で2時間かかり、藤沢駅からは人力車で海岸に向かった。とても東京から日帰りは無理であった。「東屋」は、当初戸建ての貸別荘だったが、1897年に本格的な旅館として営業を開始した。文人たちが好んで逗留し執筆活動に利用するようになって、日本の近代文学に大きな役割を果たした。(鵠沼郷土資料展示室　資料参照)

往時の雰囲気を残すまち並み 1923年の関東大震災では相応の被害が出たが、戦時中、爆撃機による空襲はほとんどなかったので、まち並は残った。

鵠沼海岸方面に向かう高瀬通り、ミニバスが通る。関東大震災後、高瀬弥一により建設された私営の道路。これにより鵠沼海岸から藤沢駅へ自動車で出られるようになった。	鵠沼の大曲り。すっかり現代風になっている。この先はまっすぐ海岸に出る。
【蓮池】

7月のハスの最盛期には、水面がハスの花で覆われる。

取材、記事 Arbol Viejo　2013/04/16