カラスザンショウは落葉高木、雌雄異株で高さは5~15㍍になります.
江の島の植物・落葉高木 ≪カラスザンショウ≫
2014年9 月16 日 (写真&文:坪倉 兌雄)
カラスザンショウ(烏山椒) Fagara ailanthoides ミカン科イヌザンショウ属
江の島の海辺に生えるカラスザンショウ
カラスザンショウは本州~九洲、沖縄、小笠原に分布し、落葉高木で沿海地や山地などの日当たりのよい場所に生え、雌雄異株で高さは5~15㍍になります。海岸近くに多く見られ、崩壊地や伐採地などの裸地に生える先駆木の一つで、成長が早く不定枝はあまり出ません。江の島では西側海辺や龍野ヶ岡自然の森などの比較的日当たりのよい場所に生育しています。若木の枝には3~8㍉の鋭い刺が多くつきますが、成木になると先端の尖りがなくなりイボ状になって残ります。葉は枝先に集まってつき、互生して長さは30~80㌢の大形の奇数羽状複葉、葉軸にも刺があります。小葉は9~15対で長さ5~15㌢の広披針形、葉をもむと独特の臭気があります。7~8月、枝先に長さ13~20㌢の集散花序をだし、黄緑色の小さな花を多数開きます。
枝先に黄緑色の小さな花を多数開く
果実は紅紫色で直径5~6㍉の球形
葉軸にも鋭い刺がある
成木になると刺はイボ状になる
サンショウ(山椒)は食用になる
果実は球形で直径5~6㍉、紅紫色の蒴果で熟すと黒色の種子が出ます。種子に辛みはありますが食用にはなりません。名前の由来は、サンショウに似るが利用価値が劣ることからカラスサンショウになったとする説、種子をカラスが好んで食べるとする説などがあります。因みにサンショウは山の椒(椒・からみ)に由来します。民家の庭先などに植栽されているサンショウ(Zanthoxylum piperitum)は、高さ2~3㍍の低木で、枝や葉柄の基部に対生する刺があり、葉は奇数羽状複葉で互生します。4~5月、枝先に黄緑色の小さな花を開きます。果実は約5㍉の球形で赤褐色に熟し、種子は黒色で光沢があり辛味があります。若葉や種子は香味料に、果皮は薬用、材はすりこぎなどに用いられます。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2019年3月22日