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江の島の植物・落葉高木《ヤマザクラ(山桜)》
2015年3月11日 (写真&文:坪倉 兌雄)
![]() ヤマザクラ(山桜) Prunus jamasakura バラ科サクラ属 ヤマザクラは本州、四国、九州の山地に自生する、日本の代表的なサクラで、清楚で美しい花は古くから多くの詩歌に詠まれています。江の島では海側の日当たりのよい場所で見られ、高さは約10㍍で樹皮は暗褐色、若芽(新葉)の色は赤、茶色、黄緑色など木によって違いがあります。葉は卵状長楕円形または卵形で長さは8~12㌢、ふちには細い鋸歯があり、裏面は白緑色で両面とも無毛、葉柄の上部に2個の腺点があります。 | |
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ヤマザクラとほぼ同時期にオオシマザクラも開花しますが、オオシマザクラの花はやや大形で、同時に伸びる新葉は緑色であることから前者と区別できます。ヤマザクラは庭木や街路樹、盆栽などに用いられていますが、その材は緻密で堅く均質なことから、高級家具材や器具材として利用されています。樹皮はその特有の美しさをいかした樺(桜)細工などに用いられ、また樹皮にはフラボノイド系の薬効成分があり、生薬では桜皮(オウヒ)として鎮咳や去痰などに用いられています。 ヤマザクラは古くから人々に親しまれ、万葉集には40首以上詠まれていますが、ここに2首を紹介します。 |