クサギは落葉小高木で、江の島では裏参道わきや龍野ヶ岡自然の森などの日当たりのよい場所に生育しています。
江の島の植物・落葉小高木≪クサギ(臭木)≫
2015年10月28日 (写真&文:坪倉 兌雄)
クサギ(臭木) Clerodendron trichotomum | |
花冠を支える長い花筒は細くて紅紫色、萼は薄緑色から次第に赤色に変化します。自家受粉を避けるためなのでしょうか、成熟した雄しべがその役割を終えて萎れたのちに、雌しべが成熟して先端が上向きになり受粉体制に入ります。萼片は卵形で長さは約1㌢、果実が熟すと平開して美しい紅色になります。果実は球形で直径6~7㍉、9~10月に光沢のある藍色に熟し、紅色の萼片を背景によく目立ちます。名前の由来は茎や葉に独特の臭いがあることに由来しますが、この臭いが害虫や動物による摂食を阻害していると考えられます。若葉はアク抜きをして、和えものや炒めものに、また寺院などでは精進料理などにも用いられてきました。また、葉、茎、根には薬効成分があり、民間療法では高血圧や下痢、リューマチなどに用いられ、果実は染料に用いられています。 |