江の島の植物・常緑高木≪ニオイシュロラン(匂棕櫚蘭)≫
2016年2月24日 (写真&文:坪倉 兌雄)
ニオイシュロラン(匂棕櫚蘭) Cordyline australis リュウゼツラン科センネンボク属 | |
ニオイシュロランはニュージランド原産の単子葉植物の樹木で、原産地では10~20㍍に達するとされています。比較的耐寒性があり、わが国では高さが4~6㍍に、太さはおよそ10㌢であることから、庭木や建物のまわりなどにもよく植えられています。江の島では江島神社の境内や頂上のエスカー降り場付近から亀ヶ岡広場、サムエル・コッキング苑などで見ることができ、海を背景に美しい景観をつくります。 | |
果実は白色または青色で翌年の10月頃に成熟します。ニオイシュロランの名は、花序がシュロ(棕櫚)に似て芳香があることに因みます。江の島で見ることができるリュウゼツラン科の仲間には、観賞用として人気のあるコルディリネ・ストリクタ(別名アオドラセナ)が江島神社・奥津宮境内などで5~6月に紫色の花を咲かせます。アツバキミガヨランはエスカー降り場の広場やサムエル・コッキング苑内、江の島大師境内などで、また草本のアオノリュウゼツランやリュウゼツランはサムエル・コッキング苑内で見ることができます。シュロは同じ単子葉植物ですがヤシ科の常緑樹で、日本原産のものをワジュロ(和棕櫚)と呼びます。ヤシ科の植物は木本で、幹は分枝せずまっすぐ伸びて、その先端に輪生状に葉を伸ばすものが多く、江の島では島内のいたるところでヤシ科の樹木を見ることができます。 |