コナラは、江の島では裏参道わき(山側)に1本の高木があり、高さはおよそ15㍍、枝は四方に広く展開して大きな樹冠をつくっています。
江の島の植物・落葉高木≪コナラ(小楢)≫
2016年5月11日 (写真&文:坪倉兌雄)
コナラは北海道から本州、四国、九州に分布する落葉高木で雌雄同種、クヌギなどとともに関東の雑木林の代表種で、日当たりのよい山地に見られ、高さは15~20㍍以上になり、樹皮は灰黒色で縦に不規則な裂け目があります。江の島では裏参道わき(山側)に1本の高木があり、高さはおよそ15㍍、枝は四方に広く展開して大きな樹冠をつくっています。
| コナラ(小楢) Quercus serrata ブナ科コナラ|
10~11月、果実は楕円形で長さ1.5~2.5㌢の堅果(どんぐり)で褐色に熟し、殻斗(総苞)には鱗片状突起(総苞片)が瓦重ね状に覆います。コナラやクヌギなどで構成される里山(雑木林)は、かつてはキノコがり(茸狩)や子供の遊び場として、コナラやクヌギの材は薪炭などの燃料に、シバ(柴)や落ち葉は家畜の飼料や肥料に用いられてきましたが、昭和30年以降の燃料革命以来、化石燃料の普及により薪炭生産は衰退し、農耕の機械化、科学肥料の普及で里山は放置されて荒れ放題、またスギなどの植林や宅地造成などにも転用されて、かつての里山を身近に見ることも少なくなりました。名前は同じブナ科のオオナラ(大楢:ミズナラの別名) に対して、愛称の接頭辞としてコ(小)を冠せてコナラ(小楢)になったものとされ、材はシイタケの原木以外に、コケシや器具材、印材などに、また公園樹としても利用されています。 |