江の島
 

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江の島

江の島の植物・ナンテン

2022年05月10日  写真&文:坪倉 兌雄
akikaramatsu1参道わきにあるナンテンの木
ナンテン(南天)Nandina domesticahaはメギ科ナンテン属の常緑低木で、原産地は中国。わが国へは古くに渡来したものと考えられていますが、本州中部以西の暖地に自生していたとする説もあります。赤い実をつけるナンテンは、庭木としてよく植えられてきました。江の島では参道わきや住宅の庭先などで見ることができます。根本から細い茎を数本立ち上げ、樹高は約2~3㍍に、樹皮は淡褐色で縦に細かい縦筋が入ります。葉は枝先に集まって互生し、3~4回羽状複葉、小葉は対生します。小葉は披針形で葉は革質、光沢のある緑色で、基部などにややふくらんだ節があります。裏面は淡緑色で、主脈は裏面に隆起します。葉の長さは3~7㌢、幅1~2.5㌢、縁は全縁で、先端は鋭く尖ります。花期は5~7月、茎の先に大型の円錐花序をだし、白い花を多数つけます。
akikaramatsu2茎先に大型の円錐花序をだす
akikaramatsu3受粉した雌しべの柱頭は赤くなる
akikaramatsu4葉は3回羽状複葉
akikaramatsu5晩秋に上部の葉が赤くなる

akikaramatsu6果実は球状で赤く熟す
花の長さ約6㍉、多数の花被片が3個ずつ輪状にならび、内側のものほど大きくなります。内側の大きな花被片6個が花弁状になって開花すると、他の萼片は脱落します。雄しべは6個で、花糸は短く葯は黄色、雌しべは1個で受粉すると柱頭は赤くなります。果実は液果で、直径6~7㍉の球形、晩秋に赤く熟します。ナンテンの名は、漢名のナンテンチク(南天竹)に由来するとされています。わが国では古くから難を転ずる縁起物として、お赤飯の上にナンテンの葉を載せて祝い事などに用い、またお正月の飾りにもナンテンの葉が用いられてきました。子供の頃、庭にナンテンとアオキが植えられていましたが、冬季に赤い実の上に積もった白い粉雪、その赤と白のコントラストが美しく、いまでも深く印象に残っています。ナンテンの果実や葉などに抗菌作用があり、民間薬として用いられ、生薬では熟した果実を採取して日干しにしたものを南天実(ナンテンジツ)、葉を採取して日干しにしたものを南天葉(ナンテンヨウ)とよび、湿疹や扁桃炎などに効果があるとされています。

記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2022年05月10日