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趣 味・歴史

湘南のお地蔵さま日金地蔵

2020年10月7日  (江ノ電沿線新聞)
jizou『日金地蔵』(ひがねじぞう)  横須賀市 武  中島淳一   
 京急YRP野比駅からバスに乗り南武(みなみたけ)入口で下車。少し戻った道路の反対側に浄土宗東漸(とうぜん)寺がある。その創建は鎌倉時代初めまで遡り、三浦一族との深い関係を持つ古刹である。立派な本堂中央に本尊の阿弥陀三尊が、その右側の厨子の中に日金(ひがね)地蔵が祀られる。
鎌倉二十四ヶ所地蔵霊場第十九番で鎌倉市外唯一の地蔵尊である。最初は鎌倉雪ノ下にあった日金山松源寺の本尊だったが、廃仏毀釈の嵐の中長谷寺等を経て大正初期にこの寺に安置されたという。木造で像高約百センチ、右手に錫杖左手に宝珠を持ち、半跏の踏み下げた左脚を小蓮華座にのせ岩座上に座る。胎内の記録で室町時代の寛正三年(一四六二)に宗円という仏師により造られたことがわかる。伝承では、源頼朝が伊豆日金山の地蔵尊に源氏の開運を祈り、念願通り鎌倉に幕府を開いたことから、その像を模してこの地蔵を造り松源寺に安置したのでこの名がついたという。やさしさの中に力強さも秘めたお顔で、
煩雑な衣文線の表現に当時流行した宗風の特徴が顕著である。流浪の旅を終え、安住の場所をこの地に見出したお地蔵さま、由緒正しいその造像の由縁をもってこの地の人々に平穏なる日々をもたらしてほしい。(本堂での参拝は要連絡)
 
 

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