浮世絵で春の江の島詣藤澤浮世絵館の新しい展示「浮世絵で春の江の島詣」が始まりました。6月10日まで展示されます。
藤澤浮世絵館展示「浮世絵で春の江の島詣」
2018年4月26日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館の新しい展示「浮世絵で春の江の島詣」が始まりました。6月10日まで展示されます。
企画展示コーナーのテーマは「浮世絵で春の江の島詣」です
江の島は江戸時代から多くの人たちが訪れる人気の観光・参詣の地でした。企画展示コーナーでは、江の島に集まる人たちを描いた浮世絵が数多く展示されています。春先から初夏にかけての季節は特に多くの人出でにぎわったといわれています。
二代歌川広重「相州七里が浜 江之嶋金亀山遠景之図」<1860年>
上の画像は、山本松谷『風俗画報』第171号の挿絵(1898年)です。左の画像は全体図で、江の島の老舗旅館「岩本楼」の高層階からの眺めが左上に描かれています。右の画像は左の画像の一部を拡大したものです。当時の江の島の賑わいをよく伝える資料となっています。
貝細工を中心とした江の島名物の土産品なども展示されています
常設の東海道五十三次コーナーは「東海道五十三対で読み解く宿場の物語」と題して、歌川国貞(三代豊国)、歌川広重、歌川国芳の三大絵師の競作による浮世絵が展示されています。絵と詞書が対となって各宿場の様子が絵と言葉で表現されています。
藤沢宿コーナーでは、「歌麿作品にみる江戸の風俗」と題して、美人画の名手・喜多川歌麿の作品が展示されています。藤沢浮世絵館では初公開となる喜多川歌麿の「女職蚕手業草」や「江戸名物錦絵耕作」が、江戸時代の生業にかかわる浮世絵として展示されています。藤沢では江戸時代から北部地域(長後あたり)を中心に生業としての養蚕業が盛んに行われていました。
藤沢宿コーナーには、美人画の名手・喜多川歌麿の作品が展示されています
江の島コーナーでは「あこがれの江の島道中」と題して、歌川広重や魚屋北渓などの作品が展示されています。企画展示コーナーの浮世絵作品とあわせて鑑賞すれば味わいも一段と深まるのではないかと思います。
●学芸員による見どころ解説が6月3日(日)に行われます。
・日時:2018年6月3日(日)11:00~/14:00~ 2回開催(30分程度)
・会場:藤澤浮世絵館
・定員:各回40名(当日先着順) ※申込不要・参加費無料
4月21日に行われた学芸員による見どころ解説
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページ(下記)では、展示作品の解説を掲載しています。あわせてご覧ください。
http://fujisawa-ukiyoekan.net/collections/top.html
※浮世絵の画像はチラシをスキャンするか、学芸員による見どころ解説での画像を撮影して掲載しました。不鮮明なところがありますが、ご容赦願います。実物は是非、藤澤浮世絵館でご覧ください。
2018年5月8日