江の島の植物・マルバルコウ
マルバルコウは熱帯アメリカ原産の帰化植物で江戸末期に渡来、江の島では参道わきのフェンスなどに絡まっているのを見かけます。
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江の島の植物・マルバルコウ
2018年9月10日 写真&文: 坪倉 兌雄
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マルバルコウ(学名Ipomoea coccinea)はヒルガオ科サツマイモ属のつる性一年草で、熱帯アメリカ原産の帰化植物、江戸末期(1850頃)に渡来したとされ、国内の中部以南に分布しています。鑑賞用に栽培されていますが、暖地では野生化しており、江の島では参道わきのフェンスなどに絡まっているのを見かけます。つるは左向きに絡まって3㍍ぐらいの長さになります。葉柄は1~15㌢と長く、葉は互生して基部は心形、長さ5~13㌢、幅は2~12㌢の卵形で無毛、先は尖り、両側に数個の突起した箇所が見られます。花期は7~9月、葉のわきから長い花柄をだして、小さな花を上向きに開きます。筒部は長く漏斗状で長さは約3㌢、花冠は朱赤色で中心部は黄色、雄しべと雌しべはともに花冠から突き出ます。萼は5裂して先端は細く尖り、長さは2.8~3.4㍉で不同、花は一日花で午後にはしぼみます。
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果実は蒴果で約7㍉、種子は4個で黒く熟します。和名の「丸葉縷紅」は、花がルコウソウの花に似て、葉が丸みを帯びていることに由来します。この近縁種のルコウソウ(縷紅草)の葉はマルバルコウとは異なり、羽状に深く裂けて裂片は糸状になりますが、この「縷」は細い糸を意味し、「糸のように細く、赤い花を咲かせる草」を意味します。マルバルコウもルコウソウも、アサガオに似た小さなきれいな花をつけますが、繁殖力が旺盛で特に農家などでは、果樹や畑作物などに絡みつくことなどから厄介者にされることもあります。両者ともルコウソウ属に含められていましたが、現在はサツマイモ属に変更されています。サツマイモ属にはサツマイモの他に、アサガオ、マルバアサガオ、グンバイヒルガオ、ノアサガオなどがあります。
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