歌舞伎組上燈籠の世界
藤澤浮世絵館の展示「松竹大谷図書館所蔵 3D浮世絵 歌舞伎組上燈籠の世界」が始まりました。

松竹大谷図書館所蔵 3D浮世絵 歌舞伎組上燈籠の世界
2018年11月16日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館の新しい展示「松竹大谷図書館所蔵 3D浮世絵 歌舞伎組上燈籠の世界」が始まりました。公益財団法人松竹大谷図書館所蔵の歌舞伎組上燈籠の優れた作品が、複製を組み上げた完成形とともに展示されています。

「組上燈籠(くみあげどうろう)」とは、江戸時代から大正期頃まで広く流行した浮世絵です。立版古(たてばんこ)などとも言い、一枚刷りの子ども用浮世絵である「おもちゃ絵」の一種です。画題は、歌舞伎の芝居、舞台や風景、名所、風物などが主であり、鑑賞するだけでなく、絵の中の部品を切りだして立体に組み立てて遊ぶ、いわば現代のペーパークラフトのように楽しめるというものです。<「浮世絵館だより2018年11月Vol.7」より抜粋>

企画展示コーナーの入り口は歌舞伎場の雰囲気が漂っています(見どころ解説の画像より)
今回の展示では、明治~大正期に出版された実物(切り出し前の平面作品)とともに、複製を組み上げた完成形が展示されています。実物は松竹大谷図書館所蔵のもので、完成形は湘南工科大学工学部の学生さんに制作を担当していただきました。完成形をいくつか紹介します。



企画展示コーナーは場内撮影が禁止されていますので、詳しくは紹介できません。上記の3枚の画像は、チラシをスキャンするか、学芸員による見どころ解説の画像を写真に撮ったものです。浮世絵館で実物をご覧になり、浮世絵の持つ魅力と豪華絢爛たる歌舞伎の舞台をご堪能いただければと思います。

東海道五十三次コーナーは、歌川国貞(三代豊国)の「役者見立東海道五十三駅(やくしゃみたてとうかいどうごじゅうさんつぎ)」19点を展示しています。各作品の背景には東海道の宿場や間の宿(あいのしゅく)が描かれており、前景にはその地に関連する歌舞伎の登場人物が配されています。人物はすべて役者の似顔(にがお)で描かれています。三代豊国の代表作の一つです。組上燈籠に関連した作品が数多く展示されています。

藤沢宿コーナーは、二代歌川広重の「東海道五十三次一覧」という大判錦絵10枚続の作品や、歌川周重の「大山詣役者揃」という当時の人気役者が大山詣でをするという趣向で描かれた作品6点、さらには歌川国貞(三代豊国)の「見立船弁慶 今四天王祈祷乃洗垢離」などが展示されています。

江の島コーナーは「江の島 鎌倉、明治のイメージ」をテーマに、明治時代に描かれた蒔絵アルバムや写真、銅版印刷紙本など14点が展示されています。明治時代の江の島や鎌倉の様子が偲ばれる展示となっています。
◆学芸員による見どころ解説が12月1日(土)に行われます。
・日時:2018年12月1日(土)11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会場:藤澤浮世絵館
・定員:各回40名(当日先着順) ※申込不要・参加費無料
・日時:2018年12月1日(土)11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会場:藤澤浮世絵館
・定員:各回40名(当日先着順) ※申込不要・参加費無料
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページ(下記)では、展示作品の解説を掲載しています。あわせてご覧ください。
http://fujisawa-ukiyoekan.net/collections/top.html
※浮世絵の画像はチラシをスキャンするか、学芸員による見どころ解説での画像を撮影して掲載しました。不鮮明なところがありますが、ご容赦願います。実物は是非藤澤浮世絵館でご覧ください。
