江の島の植物 (1)
 

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江の島の植物・蔓性落葉木本≪ヤマブドウ(山葡萄)

2014年6月10 日  (写真&文:坪倉 兌雄)

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ヤマブドウは北方領土から北海道、本州、四国、九州に分布し、江の島では西側海辺の藪の中や、龍野ヶ岡自然の森、参道わきなどで見ることができます。葉に対生して巻きひげをだし他の植物などにからみついて成長し10~15㍍にもなります。葉は互生し長さ10~30㌢の五角形の心円形で、ふちには浅い鋸歯があり、裏面に褐色の綿毛が密生します。花期は6月頃、雌雄異株で葉に対生して円錐花序をだし、黄緑色の小さな花を多数開きます。
花弁は5個で先端が互いに合着し下部は離れていますが、開花すると脱落します。雄しべは5個、雌しべは1個、果実は液果で雌株につき、直径約8㍉の球形で房になって垂れ下がります。10月頃黒紫色に熟し、酸味がありますが食用になり、また果実酒やジャムなどにも利用されます。蔓はバックや籠など、各種の容器の材料に用いられています。
yamabudou 2ヤマブドウは葉に対生して円錐花序をだします
yamabudou 3ヤマブドウの雄花
yamabudou 4ヤマブドウの葉裏に毛が密生
yamabudou 5エビヅルの葉
yamabudou6ノブドウの果実は上向き
名前は山に生える葡萄でヤマブドウ、ブドウは西域の土語(Budaw)に由来するとされています。市販されているブドウはわが国に自生するヤマブドウとは異なり、西アジア原産のものが中国を経由して日本に伝わり、さらに他の品種との交配などにより現在のブドウになったものと考えられます。ヤマブドウの仲間にはエビヅルやノブドウなどがあります。エビヅルは円錐花序をだし、淡黄緑色の小さな花を密に開き、果実は直径約5㍉の球形で黒く熟し食べられます。葉の裏は赤褐色の綿毛が密生することからヤマブドウと見分けることができます。一方、ノブドウは集散花序をだし、小さな淡緑色の花を多数つけます。果実は直径約7㍉の球形で淡緑色から紫色、そして碧色に変化しますが、ブドウタマバエやブドウトガリバチなどの幼虫が寄生して虫えいになり食用にはなりません。ノブドウの果実は上向きに散らばってつき色もさまざまですが、ヤマブドウの花は円錐花序を出し、食用のブドウと同じく黒紫色に熟して房状に垂れ下がりますので、これらも見分け方のポイントになります。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2019年3月22日