江の島の植物・樹木≪カジイチゴ≫
2012年6月16日
カジイチゴ (梶苺) Rubus trifidus バラ科キイチゴ属
カジイチゴはバラ科の落葉低木で、本州の太平洋側や伊豆諸島、四国、九州地方の比較的暖かい沿岸地域に分布し、江の島では参道脇や龍野ヶ岡自然公園、海沿いの低木林の中などの陽のあたる場所に自生し、冬期でも青い葉を付けています。本種は落葉低木ですが、関東地方では半落葉となり、葉には光沢があることなどから庭木にも利用されます。7~8月、淡黄色に熟した木苺状の果実は甘い酸味があって美味しく食用になります。
カジイチゴはバラ科の落葉低木で、本州の太平洋側や伊豆諸島、四国、九州地方の比較的暖かい沿岸地域に分布し、江の島では参道脇や龍野ヶ岡自然公園、海沿いの低木林の中などの陽のあたる場所に自生し、冬期でも青い葉を付けています。本種は落葉低木ですが、関東地方では半落葉となり、葉には光沢があることなどから庭木にも利用されます。7~8月、淡黄色に熟した木苺状の果実は甘い酸味があって美味しく食用になります。

カジイチゴの花
またカジイチゴは地域によって、エドイチゴ、トノサマイチゴ、トウイチゴ、キイチゴ、オオモミジイチゴ、トックリイチゴなどの別名で呼ばれることがあります。カジイチゴの名は、葉の形がクワ科のカジノキ(梶の木)の葉に似て、苺を付けることから、カジイチゴ(梶苺)になったとされています。

果実は多数の核果が集まってできた集合果です

イチゴ(苺)の呼び名は、バラ科の小低木または多年草で、黄色や紅色の液果につけられた総称ですが、このイチゴ類は、わが国にも古くからあり、『日本書紀』雄略天皇九年条に「此れおば、伊致寐姑(いちびこ)と云う」とあり、平安中期につくられた『倭名類聚抄』には伊知古(いちご)として登場します。いちびこの「いち」は甚だしい、「び」は緋で赤色を表し、「こ」は子で実やものを表す接尾語であり、この甚緋子(いちびこ)がイチゴに転訛したともいわれております。
カジイチゴの木に刺は無く、よく分枝して高さは約2㍍になります。葉は互生し、やや厚くて光沢があり長さは10~20㌢に、また掌状に3~7中裂して、葉脈に沿って軟毛があり、ふちに粗い鋸歯があります。花期は4~5月で、枝先から集散花序をつくります。花の色は白色で径3~4㌢の5弁花を上向きに3~5個付けますが、葉の上方で開くのでよく目立ちます。花の中心部には多数の雌蕊が集まって円形(黄緑色の部分)になり、その周りを多くの雄蕊が取り囲むように並びます。果実の大きさは約2㌢で淡黄色に熟します。同じ黄色い果実をつけるキイチゴの仲間にモミジイチゴやナガバモミジイチゴなどがあり、何れも食用になりますが江の島には自生していません。ここではイチゴを果実または実で表現していますが、植物学上では子房だけからできたものを真果と呼び、子房以外の部分が合わさってできたものを偽果として区別します。カジイチゴのようなキイチゴ類は花床が加わるので偽果になります。
カジイチゴの花床はあまり発達しませんが、子房は肥大して液果になり内果皮に包まれて核果(小核果)を形成し、これが多数集まってできた集合果です。写真をご覧ください、イチゴの表面の粒状の膨らみは子房が肥大した核果で、この集合果をキイチゴ状果ともいい、これを私達は一個の果実または実と呼んでいます。
カジイチゴの木に刺は無く、よく分枝して高さは約2㍍になります。葉は互生し、やや厚くて光沢があり長さは10~20㌢に、また掌状に3~7中裂して、葉脈に沿って軟毛があり、ふちに粗い鋸歯があります。花期は4~5月で、枝先から集散花序をつくります。花の色は白色で径3~4㌢の5弁花を上向きに3~5個付けますが、葉の上方で開くのでよく目立ちます。花の中心部には多数の雌蕊が集まって円形(黄緑色の部分)になり、その周りを多くの雄蕊が取り囲むように並びます。果実の大きさは約2㌢で淡黄色に熟します。同じ黄色い果実をつけるキイチゴの仲間にモミジイチゴやナガバモミジイチゴなどがあり、何れも食用になりますが江の島には自生していません。ここではイチゴを果実または実で表現していますが、植物学上では子房だけからできたものを真果と呼び、子房以外の部分が合わさってできたものを偽果として区別します。カジイチゴのようなキイチゴ類は花床が加わるので偽果になります。
カジイチゴの花床はあまり発達しませんが、子房は肥大して液果になり内果皮に包まれて核果(小核果)を形成し、これが多数集まってできた集合果です。写真をご覧ください、イチゴの表面の粒状の膨らみは子房が肥大した核果で、この集合果をキイチゴ状果ともいい、これを私達は一個の果実または実と呼んでいます。
【写真&文:坪倉 兌雄】