広重の竪絵東海道勢ぞろい藤澤浮世絵館で、歌川広重の「五十三次名所図会」通称「竪絵東海道」が一挙に展示されています。
藤澤浮世絵館展示 広重の竪絵東海道勢ぞろい
2019年1月17日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館で、歌川広重の「五十三次名所図会(ずえ)」通称「竪絵(たてえ)東海道」が、日本橋から京まで一挙に展示されています。「五十三次名所図会」は広重59歳の安政2年(1855年)に刊行された広重最後の五十三次の摺り物で、縦(竪)の大判錦絵55枚からなっています。
今回の展示は、通常とは異なり「京 三條大はし」から始まり、大津、草津と江戸に向かって展示されています。最後の展示は江戸の「日本橋」です。
「京 三條大はし」から「江戸 日本橋」に向かって展示されています
このシリーズの最大の特長は通称どおり「縦」の構図にあります。伝統的な山水画のように、近景、中景、遠景として画面上部に積み上げていく描き方をしており、空間に奥行きを生み出しています。また「ぼかし」の技法が用いられていて、色の濃淡によって境界を曖昧にするので、空気遠近法(大気の持つ性質を利用した空間の表現法)の効果があります。
「五十三次名所図会」の特長の説明(学芸員の見どころ解説より)
展示作品のいくつかを学芸員の見どころ解説の画像より紹介します。
「五十三次名所図会 一 日本橋 東雲の景」
「五十三次名所図会 五 程ヶ谷 境木立場鎌倉山遠望」
「五十三次名所図会 五十五 京 三條大はし」
江の島コーナーでは、湘南工科大学中尾研究室制作の、浮世絵と現代の風景のコラボレーション作品が特別企画として上映されています。これも今回の展示の見どころの一つです。
「Travelesque(トラベレスク)ー浮世絵・旅・江の島ー」を上映
●学芸員による見どころ解説が2月10日(日)に行われます。
・日時:2019年2月10日(日)11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会場:藤澤浮世絵館
・定員:各回40名(当日先着順) ※申込不要・参加費無料
・日時:2019年2月10日(日)11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会場:藤澤浮世絵館
・定員:各回40名(当日先着順) ※申込不要・参加費無料
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページ(下記)では、展示作品の解説を掲載しています。あわせてご覧ください。
http://fujisawa-ukiyoekan.net/collections/top.html
※浮世絵の画像はチラシをスキャンするか、学芸員による見どころ解説での画像を撮影して掲載しました。不鮮明なところがありますが、ご容赦願います。実物は是非藤澤浮世絵館でご覧ください。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2018年1月17日