『林の民右衛門地蔵』本厚木駅より十分程で、その一角に立派な地蔵堂が鎮座する。そこに祀られるのが、石造りの「林の民右衛門地蔵」である。
続・湘南のお地蔵さま-27『林の民右衛門地蔵』
2019年3月5日 (江ノ電沿線新聞3月号)
『林の民右衛門地蔵』 厚木市 林 中島淳一
本厚木駅より十分程でバス停「林」に着く。その先には糟屋(かすや)道、厚木道など歴史ある古道が通る交差点があり、その一角に立派な地蔵堂が鎮座する。そこに祀られるのが、石造りの「林の民右衛門(みんうえもん)地蔵」である。右手に錫杖、左手に宝珠を持つ通例のお姿だが、このお地蔵さまには次のような伝承が今に伝わる。
昔この地に働き者の民右衛門という農民がいた。ある日坂を下ろうと歩き始めると、何度も自分の名を呼ぶ声がする。振り返って辺りを見ると、草むらにひとり寂しく建つお地蔵さまが目に止まった。民右衛門は不思議に思いその像を持ち上げるとびっくりするほど軽い。これはきっとお地蔵さまが人通りの多い所へ行きたいのだろうと思い、地蔵尊を背負って坂を下ったが、坂の下に来ると急に重くなり一歩も動けなくなった。そこでその場所へ地蔵尊をお祀りすると参拝者も増え、この町全体が賑やかになったという。
そんな伝承を思い浮かべつつ改めてお地蔵さまのお顔を見ると、彫りが深く眉もきりりとして、現代(いま)風に言えばイケメン顔のお地蔵さまである。
この伝承には民右衛門のその後のことが書かれていないが、人助けならぬ地蔵助けをしたのだから、きっとこの林の地で幸せな日々を送ったに違いない
昔この地に働き者の民右衛門という農民がいた。ある日坂を下ろうと歩き始めると、何度も自分の名を呼ぶ声がする。振り返って辺りを見ると、草むらにひとり寂しく建つお地蔵さまが目に止まった。民右衛門は不思議に思いその像を持ち上げるとびっくりするほど軽い。これはきっとお地蔵さまが人通りの多い所へ行きたいのだろうと思い、地蔵尊を背負って坂を下ったが、坂の下に来ると急に重くなり一歩も動けなくなった。そこでその場所へ地蔵尊をお祀りすると参拝者も増え、この町全体が賑やかになったという。
そんな伝承を思い浮かべつつ改めてお地蔵さまのお顔を見ると、彫りが深く眉もきりりとして、現代(いま)風に言えばイケメン顔のお地蔵さまである。
この伝承には民右衛門のその後のことが書かれていないが、人助けならぬ地蔵助けをしたのだから、きっとこの林の地で幸せな日々を送ったに違いない
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記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2019年3月5日