江の島の植物・ネジバナ江の島の植物・ネジバナ(捩花)は江の島では広場や空き地、通路わきなどの日当たりのよい場所で見ることができます。
江の島の植物・ネジバナ
2019年6月11日 写真&文: 坪倉 兌雄
ネジバナ(捩花)Spiranthes sinensis var.amoenaはラン科ネジバナ属の多年草で、北海道、本州、四国、九州に分布し、芝生、田のあぜ、野原などの日当たりのよい場所に生えます。江の島では広場や空き地、通路わきなどの日当たりのよい場所で見ることができます。地中には多肉質で白色の太い根(菌根)があり、菌との共生で成長します。根生葉は線形で長さ5~20㌢、幅3~10㍉で数枚あり、その中心から高さは20~40㌢の花茎をだして上部に紅紫色で4~5㍉の小さな鐘形の花を多数つけます。花茎は淡緑色で上部が捩じれて、花は横向きの状態でらせん状につきす。花には右巻きと左巻きがあり、まれに捩じれのない花もあります。花被は萼片3枚と花弁3枚からなり、花弁の1枚は唇弁となります。
唇弁は倒卵形で白色、萼片よりやや長く先端は反り返って上部は広くなり、ふちに細鋸歯があります。ネジバナは子房下位で、開花したのちも苞葉に包まれており、成熟すると果実になり、中から多数の種子が飛び出ます。花が終わると葉が枯れて休眠しますが秋に出た新芽はロゼット状になって越冬します。ネジバナの変種で、白色の花をつける「シロネジバナ」も知られていますが、江の島では確認していません。名前の由来は花が螺旋状につくことから「捩じ花(ネジバナ)」で、別名「捩摺(モジズリ)」とも呼ばれています。属名のspiranthesはギリシャ語のspeira(螺旋)とanthos(花)に由来し、種名のsinensisはアジアを意味します。
2019年6月11日