江の島を訪れたエトランジェ 藤澤浮世絵館で「江の島を訪れたエトランジェ 描かれた異邦人」が開催されています。
江の島を訪れたエトランジェ 描かれた異邦人
2019年9月16日(取材・記事:Tanbakko)
外国からの来訪者や、相模地域の外から江の島を訪れた人たちの姿を描いた浮世絵作品や資料を展示する企画展、「江の島を訪れたエトランジェ 描かれた異邦人」が、藤澤浮世絵館で開催されています。10月27日(日)までです。
企画展示コーナーのテーマは「江の島を訪れたエトランジェ」です。外国からの来訪者や相模地域の外から江の島を訪れた人たちを描いた浮世絵や資料が展示されています。
今回展示の最大の見どころは企画展示コーナーです。古くは、江の島に飛来して修行したとされる役行者(えんのぎょうじゃ)、江嶋神社の縁起にまつわる高僧の空海や日蓮上人、江戸時代に藤沢宿を何度も通行している朝鮮通信使、オランダ使節に同行して見聞記『日本誌』を著した医師で植物学者のエンゲルベルト・ケンペル、明治初期に来日した写真家のフェリーチェ・ベアトや動物学者のモース、そして貿易商で江の島に植物園を開いたサムエル・コッキングなどに関する浮世絵や各種資料が展示されています。
エンゲルベルト・ケンペル「日本誌オランダ語第二版ファクシミリ版」と藤沢に関連する箇所の日本語訳、ケンペルの描いた挿絵などが展示されています。
企画展示コーナー入口の右側には「蒙古襲来絵詞(えことば)」が展示されています。また、日本大学生物資源科学部博物館所蔵の「江の島モース臨海実験所復元模型(縮尺1/30)」や「各地の朝鮮通信使人形」なども展示されており、見逃せない展示が盛りだくさんです。
次に、常設コーナーの見どころについて紹介します。まず東海道五十三次コーナーです。
東海道五十三次コーナーは「東海道オマージュ」と題して、二代歌川広重の「東海道五十三次」作品が展示されています。
東海道五十三次コーナーは「東海道オマージュ」と題して、前回に引き続き二代歌川広重の「東海道五十三次」28作品が展示されています。二代広重が「重宣」と名乗って初代広重の弟子として活動していた時期の作品です。初代広重の東海道作品の人気にあやかって、その構図を模した作品を版元の指示で制作したものと考えられているとのことで、初代広重の人気のほどがうかがえるとの学芸員のお話しでした。
次は、藤沢宿コーナーの見どころです。
藤沢宿コーナーは「イラストと漫画の時代へ」というテーマで展示されています。
藤沢宿コーナーは「イラストと漫画の時代へ」というテーマで、横山大観・下村観山・今村紫紅・小杉未醒による「東海道五十三次絵巻」、岡本一平をはじめとする新聞漫画記者で組織された「東京漫画会」による「東海道五十三次漫画絵巻」、水島爾保布の「東海道五十三次」が展示されています。浮世絵で親しまれた東海道の風景が、イラストや漫画という新たな表現方法で描かれているところが見どころです。
なお、水島爾保布の『「東海道五十三次」に描かれたケンペル像』が企画展示コーナーにも展示されています。
なお、水島爾保布の『「東海道五十三次」に描かれたケンペル像』が企画展示コーナーにも展示されています。
最後に、江の島コーナーの展示の見どころを紹介します。
江の島コーナーのテーマは「江の島を訪れた江戸のキャラクター」です。
江の島コーナーのテーマは「江の島を訪れた江戸のキャラクター」です。江戸時代後期の戯作者・柳亭種彦が文章を書き、絵師・歌川国貞が挿絵を手がけた「偐紫田舎源氏」は、「源氏物語」のパロディ作品ですが、大変流行しました。その流行によって「源氏絵」と呼ばれる浮世絵が数多く出版されました。今回の江の島コーナーは、「源氏絵」をはじめとして、「児子が淵伝説」や「忠臣蔵」などの登場人物が、江の島を訪れている様子を描いた作品を展示しています。
今回の展示は、企画展示コーナーはもちろんですが、常設コーナーの展示も見逃せません。是非とも、藤澤浮世絵館に脚をお運びいただければと思います。
●学芸員による見どころ解説が10月12日(土)に行われます。
・日にち:2019年10月12日(土)
・時 間:11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会 場:藤澤浮世絵館
・定 員:各回40名(当日先着順) ※申込不要・参加費無料
学芸員による見どころ解説。会場で展示作品を見ながら学芸員のお話しを聞くことができます。質問も自由で双方向のやりとりができます。
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページ(下記)では、展示作品の解説が展示期間中掲載されています。あわせてご覧ください。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2019年9月12日