浮世絵にみる波・風・帆藤澤浮世絵館で展示されている「浮世絵にみる波・風・帆」の見どころを紹介します。
藤澤浮世絵館展示「浮世絵にみる波・風・帆」
2019年11月12日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館で「浮世絵にみる波・風・帆」をテーマにした浮世絵作品が展示されています。11月24日(日)まで展示されます。
江の島は、2020東京オリンピックでセーリング競技の会場となります。藤澤浮世絵館ではオリンピックを盛り上げようと、セーリングを象徴する「波・風・帆」を描いた浮世絵作品を展示することにしました。
江の島は、2020東京オリンピックでセーリング競技の会場となります。藤澤浮世絵館ではオリンピックを盛り上げようと、セーリングを象徴する「波・風・帆」を描いた浮世絵作品を展示することにしました。
企画展示コーナーでは、「一般財団法人 日本浮世絵博物館」の所蔵作品が13点展示されています。
企画展示コーナーでは、「一般財団法人 日本浮世絵博物館」の所蔵作品の中からテーマに沿った浮世絵作品を13点展示しています。風の存在を感じさせる葛飾北斎の「冨嶽三十六景 駿州江尻」、雨を表現した二代歌川豊国の「名勝八景 大山夜雨」、帆の描き方に特徴のある歌川国芳の「大物浦平家の亡霊」など、浮世絵に描かれた「波・風・帆」の表現の多彩さを鑑賞できる名品ぞろいです。
江の島コーナーでは、「江の島と波の描かれ方の変遷」というテーマで、藤澤浮世絵館所蔵の作品9点が展示されています。
江の島コーナーのテーマは「江の島と波の描かれ方の変遷」です。
江の島は時代を超えて絵画や版画で描かれてきました。江の島を描くには海の描写、特に波の描写が必須です。当初は定型的で緩やかな波型で描かれた波も、時代とともにより写実性を意識した山型の波などが描かれるようになりました。絵師の個性が強く打ち出される描き方へと変遷していく波の姿を江の島の情景とともに楽しむことができます。
波の描き方に絵師の個性が現れていることが見て取れます(この画像は藤澤浮世絵館の展示案内のチラシから転載しました)。
常設コーナーの展示の見どころも紹介しておきましょう。
東海道五十三次コーナーは、歌川国貞(三代豊国)の「美人東海道」の名で親しまれている「東海道景色入女画(とうかいどうけしきいりおんなえ)」を3回に分けて展示します。
東海道五十三次コーナーは、歌川国貞(三代豊国)の「美人東海道」19点を展示しています。
「東海道景色入女画」は、背景に東海道五十三次の宿場の風景、手前には美人の姿が各地に関連した風俗で描かれています。背景の東海道の景色は、歌川広重の代表作「保永堂版東海道」を基にしているのが特徴となっています。袋絵を含めて57作品が3期に分けて展示されます。
藤沢宿コーナーは「東海道名所図会の世界」がテーマです。
「東海道名所図会」は、京三条大橋から江戸日本橋までの間にある東海道沿いの名所旧跡や宿場の様子、特産物、歴史や伝説などを描いた案内記、いわばガイドブックです。挿入されている挿絵は、土佐光貞、竹原春泉斎など約30人の絵師が担当していて、後世の浮世絵師が参考にしたことでも知られています。
「美人東海道」の京に近い宿場の背景図のいくつかは、この「東海道名所図会」から採用されています。
藤沢宿コーナーは「東海道名所図会」が、三代豊国、葛飾北斎などの浮世絵作品とともに展示されています。
●学芸員による見どころ解説が11月16日(土)に行われます。
・日にち:2019年11月16日(土)
・時 間:11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会 場:藤澤浮世絵館
・定 員:各回40名(当日先着順) ※申込不要・参加費無料
・日にち:2019年11月16日(土)
・時 間:11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会 場:藤澤浮世絵館
・定 員:各回40名(当日先着順) ※申込不要・参加費無料
【参考:「一般財団法人 日本浮世絵博物館」の酒井コレクションについて】
一般財団法人日本浮世絵博物館は、長野県松本市の紙問屋の酒井家五代200年間にわたる浮世絵の殿堂として、昭和57年(1982)、長野県松本市の郊外に設立されました。200年にわたる収集は、肉筆、版本を含め、浮世絵の草創期から現代版画までを網羅した10万点に及ぶ膨大なコレクションです。この酒井コレクションは、国の内外でも質の高い有数のコレクションとして知られ、ヨーロッパ、アメリカなど諸外国で展覧会が開催され極めて高い評価を受け続けています(浮世絵館だよりVol.10<2019年11月>から転載しました)。
長野県松本市の郊外にある「日本浮世絵博物館」。200年にわたり収集された10万点に及ぶ膨大なコレクションが所蔵されています(見どころ解説のスライドより転載しました)。
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページ(下記)では、展示作品の解説が展示期間中掲載されています。あわせてご覧ください。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2019年11月12日