善行雑学大学『地球物理学からみた地震等の話』
講演は、「奇跡の惑星地球が誕生したのはなぜか」というお話しから、「地震の発生と観測」、そして「今後予想される巨大地震にどう備えるか」というお話まで、広範囲な内容でした。
地球は、40億年以上継続して海が存在したという「水の惑星」です。さらに、人類という高度な知的生命体を生み出しました。「4000光年の範囲内には地球規模の電波を出す文明はないらしい」との研究結果も発表されていて、広い宇宙でも貴重な存在である地球はまさに「奇跡の惑星」といえます。
地球は「岩石惑星」であり、生命に不可欠なミネラルが豊富です。そして、普通はないはずの豊富な水は、木星の引力により氷の小惑星が四方に飛ばされて地球方面に飛来した結果であり、巨大な木星のおかげと言えます。
大気の99%もあった二酸化炭素は炭酸塩鉱物となって海底に沈殿し、プレート運動により地下深部に沈み込み、プレートの沈み込みに伴うマグマ活動により大陸が形成されました。そして大気と海が形成され、生命が誕生しました。
“ひずみ”が広範囲に蓄積しておよそ千年に一度一挙に放出することで超巨大地震が発生することを解明
ケーブル式海底地震・津波計を施設すると、地震発生15分後にほぼ正確な津波予測が可能になり、陸上のGPS網と連携すると5分後に巨大津波予報を出すことができるという研究があり、実用化に向けた取り組みが進められています。
南海トラフや根室沖にも大きな歪が蓄積されていて、巨大地震が発生する危険性が高まっています。東北沖太平洋地震によって得られた知見をもとに巨大地震への備えを準備していくことが大切です。
最後に、神奈川県の地震について、地震本部予測では近くに危険度の高い断層はないとされていますが、関東大震災の前には70年に一度ほどM6.8クラスの地震が起こっています。平時から各種のハザードマップの確認や大地震への備えをしていくことの大切さを強調して講演を締めくくられました。
【講演を聞いて】
専門的な内容の講演でしたが、多くのスライドを使って分かりやすくお話しいただきました。いくつかの幸運が重なって地球が「奇跡の惑星」となったことがよくわかりました。生命が誕生し進化していくプロセスなどお伝えできなかった内容もありますがご容赦願います。地震学がこれからも着実な進歩を遂げることを願っています。
なお、コラム記事の中で使用したスライドの画像(4枚)は講師の藤本氏より提供を受けました。ありがとうございました。
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