江の島の植物・カラスビシャクカラスビシャク(烏柄杓)は江の島では参道わきや、奥津隅境内の山側などで見ることができます。
江の島の植物・カラスビシャク
2020年03月11日 写真&文: 坪倉 兌雄
カラスビシャク(烏柄杓)Pinellia ternataはサトイモ科ハンゲ属の多年草で、日本全土に分布し、空き地や畑などで普通に見られます。江の島では参道わきや、奥津宮境内の山側などで見ることができます。4~6月に地下の球茎から根生葉をだします。葉柄の長さは10~20㌢で、その上部につく葉は3出複葉、小葉は披針形で先は尖ります。葉柄の下部と葉身(小葉)の基部に珠芽(むかご)がつきます。花期は5~8月、花茎が長くのびて葉よりも高くなり、頂上に仏炎苞に包まれた肉穂花序をつくります。花茎の長さは20~40㌢、仏炎苞の長さは5~7㌢で色は緑色~紫色に、舷部の内側に細毛があります。花茎の先端は紐状になり、さらに上方に伸びます。雌雄同株で仏炎苞のなかの付属体の下部に雌花(子房)が、上部に雄花(葯)が集まり、先に雌花が開花して受粉し、その後に雄花が開花することで自家受粉を防いでいます。
果実は緑色の液果で、球茎やムカゴとともに子孫を増やすことができます。球茎は半夏といい、漢方薬として用いられています。和名の由来は、仏炎苞を柄杓に見立て、人が使うのにはあまりにも小さいので、カラスの名をつけたとされています。別名のハンゲ(半夏)は、夏の半ば(7月初旬)を意味し、この時期にカラスビシャクが開花することによるとされています。
カラスビシャクの別名「ハンゲ(半夏)」に似た名の多年草に、ドクダミ科の「ハンゲショウ(半夏生)」があります。水辺に群生し、花の時期(7月初旬)に上部の葉が白くなることからこの名があり、別名を「片白草」とも呼ばれています。花穂は茎の上部の葉のつけ根からでて、長さ13㌢ぐらい、花弁のない白い小さな花を穂状に多数つけます。江の島には自生していません
カラスビシャクの別名「ハンゲ(半夏)」に似た名の多年草に、ドクダミ科の「ハンゲショウ(半夏生)」があります。水辺に群生し、花の時期(7月初旬)に上部の葉が白くなることからこの名があり、別名を「片白草」とも呼ばれています。花穂は茎の上部の葉のつけ根からでて、長さ13㌢ぐらい、花弁のない白い小さな花を穂状に多数つけます。江の島には自生していません
2020年03月11日