江の島の植物・ヤブニンジンヤブニンジン(藪人参)は、江の島では参道わきや龍野ヶ岡自然の森などで見ることができます。
江の島の植物・ヤブニンジン
2020年05月11日 写真&文: 坪倉 兌雄
ヤブニンジン(藪人参)Osmorhiza aristateはセリ科ヤブニンジン属で、北海道~九州の山野に生える多年草です。江の島では参道わきや龍野ヶ岡自然の森などのやや湿った場所で見ることができます。茎には散毛があり、直立して枝分かれし、高さは30~60㌢になります。葉は互生し、2回3出複葉、小葉は卵形でやわらかく、両面に毛があり、ふちに粗い鋸歯があります。葉柄の基部にある大きな托葉は茎を抱きます。4~5月、枝先に長い花柄をのばして複散形花序を出し、小さな白色の花を咲かせます。花柄の基部には総苞片がつきます。小花序の中心部に雄花が集まり、その周囲に両性花が数個つきます。中心部の雄花は花柱が退化して雄しべが5個、花弁は内側に曲がります。
両性花には雄しべ5個と、長い子房がつきます。
両性花には雄しべ5個と、長い子房がつきます。
果実は長いこん棒状で、基部は細く上部が太くなり、長さはおよそ2㌢に、上向きの毛があり、褐色に熟します。果実の上部の突起は花柱です。同じような場所に生え草姿がヤブニンジンに似るセリ科の植物にヤブジラミがあります。ヤブジラミの小葉の切れ込みは細かくて両面に粗い短毛が密生します。果実は卵状楕円形で毛が密生することから前者と区別できます。
和名の由来は、葉がニンジンの葉に似て、やぶのような場所に生育することによります。食用のニンジンは同じセリ科の越年草で、原産は西アジア、日本には16世紀頃に中国から渡来したとされています。形が薬用植物として知られるウコギ科の朝鮮人参に似ることから「ニンジン」と呼ばれるようになったとされています。大言海に「根に頭、足手、面目ありて人の如きを最上として名あり」とされ、これが朝鮮人参の名の由来と記されています(参考文献:語源辞典)。
和名の由来は、葉がニンジンの葉に似て、やぶのような場所に生育することによります。食用のニンジンは同じセリ科の越年草で、原産は西アジア、日本には16世紀頃に中国から渡来したとされています。形が薬用植物として知られるウコギ科の朝鮮人参に似ることから「ニンジン」と呼ばれるようになったとされています。大言海に「根に頭、足手、面目ありて人の如きを最上として名あり」とされ、これが朝鮮人参の名の由来と記されています(参考文献:語源辞典)。
2020年05月11日