江の島の植物・アオカラムシ江の島では参道わきなどの、やや湿った場所でアオカラムシやカラムシを見ることができます。
江の島の植物・アオカラムシ
2020年09月25日 写真&文: 坪倉 兌雄
アオカラムシ(青苧)Boehmeria nivr concolorはイラクサ科カラムシ属の多年草で雌雄同珠。本州~沖縄に分布します。江の島では参道わきなどの、やや湿った場所でアオカラムシやカラムシ(var, nipononiver)を見ることができます。古くから繊維をとるために栽培されており、これが野生化したものと考えられています。地下茎をのばして増え、茎の高さは1~1.5㍍。葉は互生して葉柄は長く3~9㌢、葉身の長さは10~15㌢、幅6~9㌢の広卵形、縁には鋸歯があり、先端は尾状に尖ります。カラムシの葉裏には白い綿毛が密生し、白っぽく見えますが、アオカラムシには綿毛はなく裏面は緑色です。花期は7~9月、葉腋に小さい花が房状に多数つき、茎の上部の葉腋に雌花序が、茎の下方の葉腋に雄花序がつきます。
痩果は、雌花の花被片2個が合着した花被筒に包まれます。和名は幹(カラ)を蒸(む)して繊維をとったことからカラムシ(幹蒸・苧)で、葉裏が青いことからアオカラムシ(青苧)と呼ばれています。このアオカラムシの茎の皮から繊維「あおそ(青麻)」を採り、糸を製して布に織ります。
なかでも新潟県の小千谷市周辺で生産される「小千谷縮(おぢやちぢみ)」や、南魚沼市を生産地とする「越後上布」などはよく知られており、この伝統技術は国の重要無形文化財に指定されています。越後の麻織物の歴史は古く、太平勝宝年間(西暦749~757)に献上された「越布」が今も奈良正倉院に保存されています。この伝統を保持するための原料となる高品質のアオカラムシ(青苧)は、福島県の昭和村で栽培されています。
なかでも新潟県の小千谷市周辺で生産される「小千谷縮(おぢやちぢみ)」や、南魚沼市を生産地とする「越後上布」などはよく知られており、この伝統技術は国の重要無形文化財に指定されています。越後の麻織物の歴史は古く、太平勝宝年間(西暦749~757)に献上された「越布」が今も奈良正倉院に保存されています。この伝統を保持するための原料となる高品質のアオカラムシ(青苧)は、福島県の昭和村で栽培されています。
2020年09月25日