浮世絵で富士山を眺める藤澤浮世絵館で「浮世絵で富士山を眺めるー江の島から・東海道からー」が開催されています。
藤澤浮世絵館展示
「浮世絵で富士山を眺めるー江の島から・東海道からー」
2020年10月9日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館で「浮世絵で富士山を眺めるー江の島から・東海道からー」が10月25日(日)まで開催されています。世界文化遺産の富士山は、日本を代表する観光のシンボルとして外国から訪れる人々にも認知されており、多くの浮世絵師も描いています。
企画展示コーナーは、「富士百姿 さまざまな描かれ方」をテーマに、藤沢市が所蔵する江の島や東海道とともに富士山を描いた浮世絵が展示されています。葛飾北斎、歌川広重、歌川貞秀などの浮世絵師が様々な視点や表現様式で描いた選りすぐりの作品がそろっています。
上の写真は企画展示コーナーの中央に展示された「東海道五十三次図屏風(作者不詳)」です。
そして手前には歌川貞秀の「富士山真景全図」がその立体的な組み立てとともに展示されています。
歌川貞秀の「富士山真景全図」とその立体的な組み立て
下記の画像は、「富士山真景全図」を立体的に組み立てるとどのようになるかを示したものです(上の画像の右側を拡大したもの)。数百メートルの上空から富士山を見下ろすことのできる工夫がこらされていることが分かります。
歌川貞秀の「富士山真景全図」を立体的に組み立てるとこのような形になります。
多くの絵師によって富士山は様々な描かれ方をしています。
その他のコーナーの展示作品も紹介しておきます。
◆東海道五十三次コーナー「広重の張交絵でみる東海道」
張交絵(はりまぜえ)とは、一枚の絵の中に数種類の絵を配置したものです。今回展示の「東海道五十三次図会」は、一枚につき3~4カ所に東海道の宿場、風景、ゆかりの物語の場面などが配置されています。例えば、「加奈川 程かや 戸塚 藤沢」では、加奈川は「浦島太郎の伝説をもつ浦島寺の故事」、程かやは「帷子川に架かる帷子橋の橋脚」、戸塚は「戸塚宿の西に位置する大坂の景色」、そして藤沢は「藤沢にゆかりのある伝説の人物・小栗判官の恋人 照手姫」が配置されています。
◆藤沢宿コーナー「寺社の出開帳と『龍口寺霊宝開帳記』」
藤沢宿コーナーは寺社の出開帳を描いた浮世絵とともに、『龍口寺霊宝開帳記』のパネルが展示されているのが眼につきます。
江戸時代、名古屋で行われた龍口寺の「出開帳」の記録が尾張藩士によって書き留められていて、それが愛知県西尾市岩瀬文庫に所蔵されています。今年は、鎌倉で布教していた日蓮が斬首されそうになった「龍ノ口法難」から750年に当たることを記念して、その複製と関連資料を展示することにしました。当時の「出開帳」の様子がよくわかる展示だと思いました。
◆江の島コーナー「江の島を訪れる人々と富士山」
江の島コーナーでは、江戸時代から人気の観光スポットであった江の島を訪れた旅人の様子と、その背景の富士山の様々な姿を描いた浮世絵作品が展示されています。
◆学芸員による見どころ解説が2020年10月17日(土)に開催されます。
・日にち:2020年10月17日(土)
・時 間:11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会 場:藤澤浮世絵館
・定 員:各回20名(要事前申込み)
・申込み:電話またはファクスに氏名・電話番号を書いて、藤澤浮世絵館へお申し込み下さい。
電話:0466-33-0111 ファックス:0466-30-1817
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページ(下記)では、展示作品の解説が展示期間中掲載されています。あわせてご覧いただければと思います。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2020年10月07日