江の島の植物・チジミザサ日本全土に分布し、江の島では龍野ヶ岡広場などで見ることができます
江の島の植物・チジミザサ
2020年11月10日 写真&文: 坪倉 兌雄
チジミザサ(縮笹)plismenus undul-atifoliusは、山野の林内に生えるイネ科チヂミザサ属の1年草で、日本全土に分布し、江の島では龍野ヶ岡広場などで見ることができます。茎は細く、下半分は地上を這い、その節々から根を出して地に固定し、その上部が斜上して10~30㌢の高さになります。葉は互生し、広披針形で先端へ向かって細くなり先端はとがり、縁が波うち、基部は葉鞘となって茎を抱きます。葉は柔らかくて、両面には細毛があります。花期は8~10月、茎が立ち上がり、その先に穂をつけ、小穂には3本の長い毛があります。花序の長さは6~12㌢で小穂を数個つけます。果実が熟すと、3本の芒から粘液を出し、人の衣服や動物の毛などに付着して種子を拡散します。
和名は葉が多年生のササ(常緑笹)に似て、葉縁が波打ち縮れたように見えることによるとされています。同じイネ科のササ(多年生常緑笹)の名は、葉ずれの音に由来するとされ、ササはイネ科のタケ亜科に分類されています。ササ(笹)の皮はその本体が枯れるまで茎に残り、クマザサやミヤコザサはよく知られていますが、ヤダケ、メダケ、カンザンチク、タイミンチクなども常緑笹です。一方、タケ(竹)の皮は成長するにつれてはがれ落ちます。モウソウチク、マダケ、トウチク、オカメザサなどは、タケ(多年性常緑竹)に分類されます。ササの花はタケと同じで、数十年に一度しか咲きません。
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