相模を描いた浮世絵と狂歌摺物「相模を描いた浮世絵と狂歌摺物」が藤澤浮世絵館で展示されています。
藤澤浮世絵館展示「相模を描いた浮世絵と狂歌摺物」
2020年11月16日(取材・記事:Tanbakko)
「相模を描いた浮世絵と狂歌摺物」が、12月13日(日)まで藤澤浮世絵館で展示されています。
今回の展示の見どころは2つあると思います。
一つは、藤沢市だけでなく、秦野市や伊勢原市が所蔵する浮世絵が展示されていることです。江戸時代は、江戸の庶民文化が地方にも伝播していき、豊かな地方文化が生み出されました。江戸から近い相模は、当時庶民に親しまれていた浮世絵に描かれることの多い地域でした。今回の展示では、秦野市の錦絵コレクションの浮世絵、伊勢原市の大山詣りを伝える浮世絵が、藤沢市の江の島詣の様子を描いた浮世絵とともに展示されています。歴史や文化を伝えながら新たな郷土文化を育んでいく文化財としての浮世絵がご覧いただけます。
もう一つは、企画展示コーナーです。テーマは「狂歌摺物と藤沢宿」。藤沢の地が江戸の都市文化の影響を受けていた事例として、江戸末期に流行した狂歌と藤沢・江の島との関わりが感じ取れる狂歌摺物の数々が未公開作品を含めて展示されています。
◆秦野市の“錦絵”コレクション
このコーナーは、秦野市の“錦絵”コレクションの浮世絵が展示されています。錦絵とは錦のように美しい絵という意味で、多色摺の浮世絵版画のことを指しています。
秦野市は、市出身の浮世絵収集家・故大津圓子氏から約1900点の浮世絵の寄贈を受け、「はだの浮世絵ギャラリー」で広く紹介しています。本展示では、秦野市所蔵の錦絵15点が展示されていて、錦絵の変遷を眺めることができます。
喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重、北尾重政などの錦絵15点が展示されています。
◆伊勢原市の“大山浮世絵”コレクション
伊勢原市は、市内に信仰の山・大山(雨降山)を有し、山頂の大山阿夫利神社と中腹の大山寺への参詣にまつわるストーリーが「江戸庶民の信仰と行楽の地~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~」として、日本遺産に認定されています。
伊勢原市では大山と大山詣りに関連する浮世絵を収集しています。これが、大山浮世絵コレクションです。本展では、豊富なコレクションの中から厳選された浮世絵10点が展示されています。
伊勢原市は、市内に信仰の山・大山(雨降山)を有し、山頂の大山阿夫利神社と中腹の大山寺への参詣にまつわるストーリーが「江戸庶民の信仰と行楽の地~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~」として、日本遺産に認定されています。
伊勢原市では大山と大山詣りに関連する浮世絵を収集しています。これが、大山浮世絵コレクションです。本展では、豊富なコレクションの中から厳選された浮世絵10点が展示されています。
「大山良弁図」や「不二三十六景 相模大山来迎谷」など10点の浮世絵が展示されています。
◆藤澤浮世絵館の“江の島浮世絵”コレクション
藤澤浮世絵館のコレクションは、故呉文炳氏の「江の島浮世絵」コレクションがその根幹をなしています。今回の展示では、呉氏がコレクションを始めた時期の浮世絵8点が展示されています。
藤澤浮世絵館のコレクションは、故呉文炳氏の「江の島浮世絵」コレクションがその根幹をなしています。今回の展示では、呉氏がコレクションを始めた時期の浮世絵8点が展示されています。
二代歌川広重「相州江のしま詣の図」や喜多川歌麿「題名不詳(江の島弁財天開帳)」など故呉文炳氏収集の浮世絵8点が展示されています。
◆企画展示コーナー「狂歌摺物と藤沢宿」
狂歌とは、和歌のなかに滑稽や諧謔の精神を盛り込もうとする戯れ歌です。また摺物(すりもの)とは暦や狂歌などに絵を添えて一枚摺りにしたもので、狂歌と歌に関連した挿絵が描かれた私家版の版画作品を「狂歌摺物」と呼びます。狂歌は江戸の文化人を中心に流行しましたが、人の行き来が盛んになるにつれて地方にも伝播し、藤沢宿にも「相州藤沢」を名乗る狂歌師たちが登場しました。
本展では、魚屋北渓、歌川国芳、歌川豊国などの作品を展示するとともに、藤沢ゆかりの狂歌師たちの「狂歌色紙」を展示しているのが見どころです。
狂歌とは、和歌のなかに滑稽や諧謔の精神を盛り込もうとする戯れ歌です。また摺物(すりもの)とは暦や狂歌などに絵を添えて一枚摺りにしたもので、狂歌と歌に関連した挿絵が描かれた私家版の版画作品を「狂歌摺物」と呼びます。狂歌は江戸の文化人を中心に流行しましたが、人の行き来が盛んになるにつれて地方にも伝播し、藤沢宿にも「相州藤沢」を名乗る狂歌師たちが登場しました。
本展では、魚屋北渓、歌川国芳、歌川豊国などの作品を展示するとともに、藤沢ゆかりの狂歌師たちの「狂歌色紙」を展示しているのが見どころです。
魚屋北渓の「江島紀行」や「うまやち 駅路」な展示されています。「うまやち 駅路」は初公開です。
藤沢ゆかりの狂歌師も参加している二代目森羅亭萬象門下の人たちの狂歌色紙(自作の狂歌を認めた色紙)が11点展示されています。
どのような浮世絵が展示されているのでしょうか。下記画像はチラシをスキャンしたもので、展示されている浮世絵の一部です。いずれも名品揃いの浮世絵が展示されています。是非とも藤澤浮世絵館に足を運び、相模の文化的遺産が感じ取れる浮世絵や狂歌摺物の数々をご堪能いただければと思います。
◆藤澤浮世絵館の公式ホームページでは、展示作品の紹介と解説が展示期間中掲載されています。あわせてご覧いただければと思います。 ⇒こちら http://fujisawa-ukiyoekan.net/collections/top.html
◆学芸員による見どころ解説が2020年11月29日(日)に開催されます。
・日にち:2020年11月29日(日)
・時 間:11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会 場:藤澤浮世絵館
・定 員:各回20名(申込み受付順・要事前申込み)
・申込み:電話またはファクスに、氏名・電話番号・希望時間を書いて、藤澤
浮世絵館へお申し込み下さい。
11月12日(木)より受付を開始しています。
電話:0466-33-0111 ファックス:0466-30-1817
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2020年11月13日