湘南の庚申塔を訪ねる
湘南周辺にあるいくつかの庚申塔(こうしんとう)と呼ばれる庚申信仰に結び付いた石仏を訪ねてみました。
湘南周辺にあるいくつかの庚申塔(こうしんとう)と呼ばれる庚申信仰に結び付いた石仏を訪ねてみました。
湘南の庚申塔を訪ねる
2020年12月31日 (sumire/gantyan)
湘南の各地にも庚申塔(こうしんとう)と呼ばれる 「猿」などが彫られた石像があります。
庚申塔(こうしんとう)とは中国の道教に由来する、庚申信仰、俗に言う〈言わざる,見ざる,聞かざる〉,このような行為をつつしむことで人生を安全幸福におくることができるとする教えに結び付いた石仏です。これは宗教的にも広がりましたが 行事は村単位など集団でも行われる様になり、庚申塔は猿を始めとして「青面金剛」と呼ばれる、頭髪の逆立った像等などの他色々の物が彫られています。湘南のいくつかの庚申塔(こうしんとう)を訪れてみました。
庚申塔(こうしんとう)とは中国の道教に由来する、庚申信仰、俗に言う〈言わざる,見ざる,聞かざる〉,このような行為をつつしむことで人生を安全幸福におくることができるとする教えに結び付いた石仏です。これは宗教的にも広がりましたが 行事は村単位など集団でも行われる様になり、庚申塔は猿を始めとして「青面金剛」と呼ばれる、頭髪の逆立った像等などの他色々の物が彫られています。湘南のいくつかの庚申塔(こうしんとう)を訪れてみました。
関東の三猿は横並びが一般的です。
庚申塔には、奉造立庚申供養(ほうぞうりゅうこうしんくよう)などの願文と、青面金剛像(しょうめんこんごうぞう)や猿や鶏(にわとり)などが彫られています。庚申講(村落など単位で行わエれた行事)では60日ごとに巡ってくる、庚申(かのえさる)の夜には人間の体内にひそむ三尸(さんし)の虫が、眠っている間に抜け出し天に昇って、その人の罪科を天帝(てんてい)に告げ人の命を縮めるとされており、その虫の脱出を防ぐため、一定の儀式のあと飲食を共に夜明かしをするという事が行われた様です。その庚申講(こうしんこう)庚申(かのえさる)を3年間に18回続けた記念に、建立されることが多かったようです。
平塚市札場町・長楽寺の境内、石仏群中にある右端の舟型庚申塔です。
関東では非常に珍しいのですが、三猿像を大きくピラミッド型に配置しています。正面中央に青面金剛を表す梵字「ウーン」を頂点に「奉造立庚申供養石塔」、右に「貞享四丁卯年」(1687)、左に「四月吉日」と銘文も三角配置しています。素朴な浮き彫りの三猿は、「見ざる・言わざる」の上に、「聞かざる」が高い位置にあります。このように三猿が二段に別れている三角配置の庚申塔は平塚市内ではこの一基だけです。他には、横浜市戸塚区原宿・浅間神社の三猿庚申塔 延宝5年(1677)以外ほとんど見当たりません。
茅ヶ崎市円蔵・輪光寺の烏帽子を付けた、三猿庚申塔 寛永17年(1640)
関西の庚申塔(三猿)
四天王寺系のお札や、掛け軸に取り入れられた関西の三猿は、いずれも三角配置です。大阪四天王寺の庚申堂(日本最初の庚申尊出現の地)西壁沿いの一画には、寛文十年から平成二年造立の庚申塔などが集められています。
四天王寺系のお札や、掛け軸に取り入れられた関西の三猿は、いずれも三角配置です。大阪四天王寺の庚申堂(日本最初の庚申尊出現の地)西壁沿いの一画には、寛文十年から平成二年造立の庚申塔などが集められています。
庚申塔に刻まれた三猿は山王信仰の「神使の猿」とか、いろいろいわれていますが、「自分たちの罪状を天帝に告げないで欲しい」との願望を表現しているかのようです。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2020年12月30日