続・湘南のお地蔵さま 『常光寺の宋風地蔵』
2021年4月8日 (江ノ電沿線新聞)
『常光寺の宋風地蔵』 中島淳一
藤沢市 本町
藤沢市 本町
小田急藤沢本町駅近くの白旗交差点を藤沢橋方面へ三百メートル程行くと消防出張所があり、その横の道正面に浄土宗常光寺がある。創建は室町時代まで遡り、東海道藤沢宿の名残を残す寺林を所有する。
この寺の本尊は阿弥陀三尊像で、中尊の阿弥陀仏のお顔は知的で親しみも併せ持ち、衣文の流れも美しい南北朝時代の秀作である。
本堂内の左側に納骨堂があり、その本尊として祀られるのが常光寺の宋風地蔵である。像高九一・五センチで右手に錫杖左手に宝珠を持つ通例のお姿で、円光背をつけ台座にのる。そのお顔は理知的な少年の如く輝き、衣文のひだの数も多く装飾的な表現で、中世に流行した宋風の特徴が顕著である。南北朝時代の造像と考えられ美術的・歴史的価値の高いお地蔵さまで、本尊と共に市の指定文化財である。この像が常光寺に祀られる経過は不明だが、市内大庭にあった廃寺から遷座されたという伝えもある。
近年常光寺は本堂や仏像等の修復を精力的に行い、また花まつりなどの行事を復活させ、地域に開かれた心安らぐお寺づくりに尽力している。宋風地蔵も七百年の間、人々を救い続けて下さったが、現在の病禍においても私たちの心に安らぎを、さらに与えてほしい。
(本堂内での参拝は事前の連絡が必要)
この寺の本尊は阿弥陀三尊像で、中尊の阿弥陀仏のお顔は知的で親しみも併せ持ち、衣文の流れも美しい南北朝時代の秀作である。
本堂内の左側に納骨堂があり、その本尊として祀られるのが常光寺の宋風地蔵である。像高九一・五センチで右手に錫杖左手に宝珠を持つ通例のお姿で、円光背をつけ台座にのる。そのお顔は理知的な少年の如く輝き、衣文のひだの数も多く装飾的な表現で、中世に流行した宋風の特徴が顕著である。南北朝時代の造像と考えられ美術的・歴史的価値の高いお地蔵さまで、本尊と共に市の指定文化財である。この像が常光寺に祀られる経過は不明だが、市内大庭にあった廃寺から遷座されたという伝えもある。
近年常光寺は本堂や仏像等の修復を精力的に行い、また花まつりなどの行事を復活させ、地域に開かれた心安らぐお寺づくりに尽力している。宋風地蔵も七百年の間、人々を救い続けて下さったが、現在の病禍においても私たちの心に安らぎを、さらに与えてほしい。
(本堂内での参拝は事前の連絡が必要)
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2021年4月8日
目次
続・湘南のお地蔵さま
『常光寺の宋風地蔵』
2021年4月8日 (江ノ電沿線新聞)
『常光寺の宋風地蔵』 中島淳一
藤沢市 本町
藤沢市 本町
小田急藤沢本町駅近くの白旗交差点を藤沢橋方面へ三百メートル程行くと消防出張所があり、その横の道正面に浄土宗常光寺がある。創建は室町時代まで遡り、東海道藤沢宿の名残を残す寺林を所有する。
この寺の本尊は阿弥陀三尊像で、中尊の阿弥陀仏のお顔は知的で親しみも併せ持ち、衣文の流れも美しい南北朝時代の秀作である。
本堂内の左側に納骨堂があり、その本尊として祀られるのが常光寺の宋風地蔵である。像高九一・五センチで右手に錫杖左手に宝珠を持つ通例のお姿で、円光背をつけ台座にのる。そのお顔は理知的な少年の如く輝き、衣文のひだの数も多く装飾的な表現で、中世に流行した宋風の特徴が顕著である。南北朝時代の造像と考えられ美術的・歴史的価値の高いお地蔵さまで、本尊と共に市の指定文化財である。この像が常光寺に祀られる経過は不明だが、市内大庭にあった廃寺から遷座されたという伝えもある。
近年常光寺は本堂や仏像等の修復を精力的に行い、また花まつりなどの行事を復活させ、地域に開かれた心安らぐお寺づくりに尽力している。宋風地蔵も七百年の間、人々を救い続けて下さったが、現在の病禍においても私たちの心に安らぎを、さらに与えてほしい。
(本堂内での参拝は事前の連絡が必要)
この寺の本尊は阿弥陀三尊像で、中尊の阿弥陀仏のお顔は知的で親しみも併せ持ち、衣文の流れも美しい南北朝時代の秀作である。
本堂内の左側に納骨堂があり、その本尊として祀られるのが常光寺の宋風地蔵である。像高九一・五センチで右手に錫杖左手に宝珠を持つ通例のお姿で、円光背をつけ台座にのる。そのお顔は理知的な少年の如く輝き、衣文のひだの数も多く装飾的な表現で、中世に流行した宋風の特徴が顕著である。南北朝時代の造像と考えられ美術的・歴史的価値の高いお地蔵さまで、本尊と共に市の指定文化財である。この像が常光寺に祀られる経過は不明だが、市内大庭にあった廃寺から遷座されたという伝えもある。
近年常光寺は本堂や仏像等の修復を精力的に行い、また花まつりなどの行事を復活させ、地域に開かれた心安らぐお寺づくりに尽力している。宋風地蔵も七百年の間、人々を救い続けて下さったが、現在の病禍においても私たちの心に安らぎを、さらに与えてほしい。
(本堂内での参拝は事前の連絡が必要)
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2021年4月8日