江の島の植物 ニガクサ
2021年10月25日 写真&文: 坪倉 兌雄
ニガクサ(苦草)Teucrium japonicumは、シソ科ニガクサ属の多年草で、日本全土に分布し、山地や水辺などの湿った場所に生えます。江の島では参道わきの日陰など、やや湿った場所で見ることができます。茎は四角形で、高さは30~60㌢に、地下に長い送出枝を
出して増えます。葉は対生につき、卵状長楕円形で先はとがり、長さは5~10㌢、幅は2~3.5㌢、葉縁の鋸歯は不揃い、葉柄の長さは1~2㌢に、表面の葉脈はややくぼみ荒々しく見えます。花期は7~9月、茎の上部に長さ3~10㌢の花穂をだし、淡紫色の小さな花をつけます。花冠の長さはおよそ1㌢に、小さな上唇は深く2裂し、下唇は3裂して中央の裂片が大きく垂れ下がって目立ちます。萼は筒状で5裂に、短毛があり、雄しべと雌しべは花冠の上部に突き出ます。
出して増えます。葉は対生につき、卵状長楕円形で先はとがり、長さは5~10㌢、幅は2~3.5㌢、葉縁の鋸歯は不揃い、葉柄の長さは1~2㌢に、表面の葉脈はややくぼみ荒々しく見えます。花期は7~9月、茎の上部に長さ3~10㌢の花穂をだし、淡紫色の小さな花をつけます。花冠の長さはおよそ1㌢に、小さな上唇は深く2裂し、下唇は3裂して中央の裂片が大きく垂れ下がって目立ちます。萼は筒状で5裂に、短毛があり、雄しべと雌しべは花冠の上部に突き出ます。
同じシソ科のツルニガクサは、草姿がニガクサによく似ています。ニガクサは湿地に、ツルニガクサは山地に生え、葉の質が前者に比してやや薄く、萼に腺毛が密につくことなどで区別できます。名前は葉や茎に苦みがあるとしてつけられたものと考えられますが、ニガクサの葉に苦味はありません。ツルニガクサにツル(蔓)は無く、地中の走出枝をツルに見立てたのでしょうか、ニガクサにも走出枝があります。いずれも名前の由来は不明です。やや湿った場所に生えるトウバナも、草姿がニガクサに似ています。トウバナの葉は卵形で1~3㌢、ニガナの葉に比べて短く、花は数段に輪生してつく、などの違いがあります。シソ科の野草は江の島でも多く見られ、それぞれの季節に花を開きます。いずれも茎は四角、葉は対生につき、花冠は唇形で、香気があります。
2021年10月25日