江の島の植物キランソウ
2021年11月10日 写真&文: 坪倉 兌雄
キランソウ(金瘡小草) Ajuga decumbensは、本州~九州に分布し、山麓、路傍や岩場などのいたるところで見られるシソ科キランソウ属の多年草で、別名を「ジゴクノカマノフタ」とも呼ばれています。江の島では参道わきや広場などで普通に見ることができます。茎は直立しないで、地面をはい、葉は放射状につき、その長さは6~13㌢になります。葉は倒披針形で先端は鈍角、長さは4~6㌢で、幅は0.8~2.5 ㌢、ふちに粗い鋸歯があり、上部につく葉は小形です。葉の表面は濃緑色で、裏面には毛が多く、やや白っぽくて葉脈が目立ちます。花期は3~5月、葉腋に濃紫色の花を2~3個ずつつけます。萼は5裂して毛があります。花は唇形で花冠の長さはおよそ1㌢、上唇は約1㍉で浅く2裂に、下唇は3裂して大きく開き、中央の長い裂片はさらに浅く2裂します。
雄しべは4個あり、そのうちの2個は小さく、雌しべは1個で花柱の先端が2裂して開きます。子房の上部は4裂します。果実は4個の分果で、長さは約1.8㍉の卵球形。和名の由来は、ランに似た紫色の花で「紫蘭草(しらんそう)」に、別名のジゴクノカマノフタ(地獄の釜蓋)は、葉が地面に張りついて放射状に広がる様を言い表したもの、などの説があります。
キランソウは古くから民間薬として用いられてきました。生の茎や葉のしぼり汁はそのまま患部に塗って腫れ物や虫刺されなどに、開花期の全草を日干しにして乾燥させたものは、煎じてその汁を服用し、咳止め、去痰、健胃や下痢止めなどに用いました。生薬名では「筋骨草(きんこつそう)」と呼ばれています。
キランソウは古くから民間薬として用いられてきました。生の茎や葉のしぼり汁はそのまま患部に塗って腫れ物や虫刺されなどに、開花期の全草を日干しにして乾燥させたものは、煎じてその汁を服用し、咳止め、去痰、健胃や下痢止めなどに用いました。生薬名では「筋骨草(きんこつそう)」と呼ばれています。
2021年11月10日