江の島の植物 ノゲシ
江の島では参道わきや広場の片隅などで普通に見ることができます
江の島では参道わきや広場の片隅などで普通に見ることができます
江の島の植物 ノゲシ
2021年11月25日 写真&文: 坪倉 兌雄
ノゲシ(野芥子)Sonchus oleraceusはキク科ノゲシ属の越年草で日本全土に分布し、畑、道ばた、空き地や住宅の庭先などに生えます。江の島では参道わきや広場の片隅などで普通に見ることができます。茎は太くて柔らかく、中空で多数の稜があり、高さは0.5~100㌢に、折ると白い汁がでます。葉の基部は茎を抱き、葉の長さは15~25㌢、幅5~8㌢で、羽状に切れ込み、裂片には不揃いの鋸歯があります。鋸歯は刺状にとがりますが、柔らかいので触っても痛くはありません。花期は3~10月ですが、江の島では年中花を見ることができます。花は頭花で直径はおよそ2㌢、黄色い舌状花を多数つけます。花柄や総苞には腺毛があり、粘液を分泌します。総苞の長さは1.2~1.5㌢、花が終わると総苞の下部は膨れます。
痩果が熟すと総苞はそりかえります。痩果は狭倒卵形で長さは約3㍉に、冠毛は白色で長さは約6㍉、風を受けて種子を散布します。和名の由来は、野に生え、葉がケシ(芥子)の葉に似ることからノゲシ(野芥子)になったとされています。しかしケシはケシ科の植物で、花はノゲシとは全く異なります。また春によく咲くことから別名で、ハルノノゲシ(春の野芥子)とも呼ばれています。ノゲシはヨーロッパ原産の史前帰化植物で、中国から日本に伝わったとされ、茎を抱く葉の形が刀の鍔が開いたように見えることから、古名ではツバヒラクサ(都波比良久佐)と呼ばれていたとされています。
ノゲシに似た野草にオニノゲシがあり、同じような場所に生育しています。ノゲシとの違いは、草姿が大きく葉が羽状に切り込んで、鋸歯の先が鋭い刺となり触ると痛く、葉の基部は丸くなって茎を抱きます。
ノゲシに似た野草にオニノゲシがあり、同じような場所に生育しています。ノゲシとの違いは、草姿が大きく葉が羽状に切り込んで、鋸歯の先が鋭い刺となり触ると痛く、葉の基部は丸くなって茎を抱きます。
2021年11月25日