江戸の暮らしと食の歳時記
藤澤浮世絵館では、開館5周年記念「浮世絵でみる江戸の暮らしと食の歳時記」が開催されています。

藤澤浮世絵館開館5周年記念
「浮世絵でみる江戸の暮らしと食の歳時記」
2021年11月30日(取材・記事:Tanbakko)
藤沢市藤澤浮世絵館が開館5周年を迎えました。それを記念して「浮世絵でみる江戸の暮らしと食の歳時記」が12月12日(日)まで開催されています。公益財団法人 味の素食の文化センター所蔵の作品や藤沢市所蔵の作品・資料などが展示されています。以下、各コーナーの展示概要を紹介します。

◆企画展示コーナーと藤沢宿コーナー
企画展示コーナーでは、「公益財団法人 味の素食の文化センター」所蔵の江戸時代に人気のあった食べ物が描かれた浮世絵18点が展示されています。
例えば歌川国貞(三代豊国)描く、「やつしけんじ 雨夜のしな定」では、遊郭の女性がどんな食事をしていたかが、また「ふきや町市村座大入りあたり振舞楽屋之図」では、興行元が俳優や関係者を招待して開いた宴の様子や大皿に盛られた大量の料理が描かれています。
味の素食の文化センターには、江戸時代から明治時代にかけての日本の食の歴史が俯瞰できるコレクションがあり、現代につながる食文化の世界が垣間見える作品が所蔵されています。

藤沢宿コーナーでは「相模地域に伝わる食文化」をテーマに、地域に伝わる食文化に関する浮世絵や資料が展示されています。

上記の写真の右側には、「宴の民具」として弁当箱・盃・堤子・ひょうたんが展示されています。左側には(平野孫兵衛 原著)写の「東坂戸町町内記録帳(写)」が展示されています。いずれも地域の食文化に関する貴重な資料です。
また、歌川広重画の「諸国名産 相州江の嶋産 蚫かす漬け・貝細工」や「東海道遊歴双六」、十返舎一九(故人)作 歌川国芳画の「東海道中画本膝栗毛」なども展示されていて興味をそそられます。
◆東海道五十三次コーナーと江の島コーナー
東海道五十三次コーナーでは「双筆五十三次」として歌川国貞(三代豊国)と歌川広重の「合筆(がっぴつ)」による浮世絵14点が展示されています。

「双筆五十三次」シリーズは人物と風景がセットで描かれています。絵の上の部分は宿場の風景を歌川広重が描き、その下に宿場に関係のある人物を歌川国貞(三代豊国)が描いています。二人の代表的浮世絵師がそれぞれ得意とする分野を分担していて人気を博しました。それぞれが得意とする分野を担当して描く手法を当時は「合筆(がっぴつ)」と呼んでいました。
江の島コーナーは「これぞパロディ! 新版源氏物語」として、『偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)』の浮世絵を中心に「源氏絵」が展示されています。

開館5周年を迎えた藤澤浮世絵館。今回の展示は、食を中心にした展示に加えて、歌川広重や歌川国貞(三代豊国)の合筆による作品、そして源氏絵とバラエティに富んでいて見応えがありました。これからも私たちを楽しませてくれる展示が期待されます。

●学芸員による見どころ解説が12月5日(日)に行われます。
・日にち:2021年12月5日(日)
・時 間:11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会 場:藤澤浮世絵館
・定 員:各回20名(先着順)
※電話(0466-33-0111)で浮世絵館にお申し込みください。
・日にち:2021年12月5日(日)
・時 間:11:00~/15:00~ 2回開催(各回30分程度)
・会 場:藤澤浮世絵館
・定 員:各回20名(先着順)
※電話(0466-33-0111)で浮世絵館にお申し込みください。
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページ(下記)では、展示作品の解説が展示期間中掲載されています。あわせてご覧ください。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。
2021年11月30日
