湘南のお地蔵様 勝五郎地蔵伊勢原駅から日向薬師下車。登山道一時間程登る。そこで等身大の立派なお地蔵さま勝五郎地蔵出迎えてくれる。
続・湘南のお地蔵さま『勝五郎地蔵』
2021年12月10日 (江ノ電沿線新聞)
続・湘南のお地蔵さま(60)『勝五郎地蔵』中島淳一 伊勢原市 日向
伊勢原駅北口からバスに乗り、終点の日向(ひなた)薬師で下車。少し先の九十九曲り登山道入口から文字通りのジグザグな急斜面を登る。一時間程で少し平坦な場所に出るが、そこでは等身大の立派なお地蔵さまが出迎えてくれる。勝五郎地蔵である。
右手に錫杖左手に宝珠を持ち、細身のすらっとした姿で岩上に立つ。ふくよかなお顔には微笑みを浮かべ、大山参りの登山者の安全を今も見守っている。
このお地蔵さまは、日向村の石工である勝五郎が江戸時代末期の嘉永六年(一八五三)に造立した。この日向地区では江戸時代から昭和四十五年まで、細工しやすい特性から生活用具等に使われた日向石が産出され、江戸時代には桜で有名な信州高遠から石工がこの辺りに出稼ぎに来ており、この地に定着した石工もいたようで今でもこの地区には石材店が多い。このお地蔵さまもこの日向石で造られているようである。
その厳しい道程からこのお地蔵さまの紹介は難しいと思っていた。しかし登山道から見上げた尾根に、お地蔵さまの赤い帽子と涎掛けが見えた時の喜びはひとしおであった。その土地が産んだ石を地元の石工が彫り、お地蔵さまとして命を吹き込むことの素晴らしさを改めて感じさせてくれた。
右手に錫杖左手に宝珠を持ち、細身のすらっとした姿で岩上に立つ。ふくよかなお顔には微笑みを浮かべ、大山参りの登山者の安全を今も見守っている。
このお地蔵さまは、日向村の石工である勝五郎が江戸時代末期の嘉永六年(一八五三)に造立した。この日向地区では江戸時代から昭和四十五年まで、細工しやすい特性から生活用具等に使われた日向石が産出され、江戸時代には桜で有名な信州高遠から石工がこの辺りに出稼ぎに来ており、この地に定着した石工もいたようで今でもこの地区には石材店が多い。このお地蔵さまもこの日向石で造られているようである。
その厳しい道程からこのお地蔵さまの紹介は難しいと思っていた。しかし登山道から見上げた尾根に、お地蔵さまの赤い帽子と涎掛けが見えた時の喜びはひとしおであった。その土地が産んだ石を地元の石工が彫り、お地蔵さまとして命を吹き込むことの素晴らしさを改めて感じさせてくれた。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2021年12月10日