江の島の植物ヒメオドリコソウ
江の島では広場の一角や空き地、歩道わきなどで見ることができます
江の島では広場の一角や空き地、歩道わきなどで見ることができます
江の島の植物ヒメオドリコソウ
2021年12月25日 写真&文:坪倉 兌雄
ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)Lamium purpureumはシソ科オドリコソウ属の越年草でヨーロッパ原産とされ、明治の中頃に渡来したとされる帰化植物です。江の島では広場の一角や空き地、歩道わきなどで見ることができます。茎は四角形でやや暗褐色を帯び、直立して高さは10~25㌢になります。葉は対生して三角状卵形、縁に鈍鋸歯があり先端は鈍頭で、基部は心形、長さは1.5~3に、表面は網目状の皺が目立ちます。裏面には軟毛が密生し、やや白っぽく見えます。下部につく葉には長い葉柄がありますが、上部につく葉は小さくて葉柄はなく、色は赤紫色になります。花期は3~5月ですが、花はほぼ一年中見られ、江の島の日当たりの良い空き地などでは、冬季でもひっそり咲いているのを見かけます。
上部の葉腋に唇形花を数個つける
上部の葉腋に小さな淡紅紫色の唇形花を数個つけます。花の長さは約1㌢で、雄しべは4個、雌しべは1個で上唇に隠れます。花後、果実は4個の分果になります。名前の由来は、草姿が同じシソ科のオドリコソウ(踊子草)に似ているが、それよりも小さいことから姫を冠してヒメオドリコソウ(姫踊子草)になったとされています。オドリコソウは高さが30~50㌢と、ヒメオドリコソウより高く、花は淡紅色~白色の唇形花で上部の葉腋につき、花冠の長さは2~4㌢、この花冠が傘をかぶった踊り子の姿に似ています。ヒメオドリコソウとほぼ同じ時期に、また同じような場所に生える野草にホトケノザ(仏の座)があります。草丈もヒメオドリコソウとほぼ同じ、間違いやすいので注意が必要です。ホトケノザの上部の葉は円形で葉柄はなく、茎の周りを取り巻くようにつき、その上部に花を開きます(写真参照)
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2021年12月25日