江の島の植物 オニノゲシ
江の島では道ばたや空き地などで普通に見ることができます
江の島では道ばたや空き地などで普通に見ることができます
江の島の植物 オニノゲシ
2022年02月10日 写真&文:坪倉 兌雄
オニノゲシ(鬼野芥子)Sonchus asperはキク科ノゲシ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物、明治時代に渡来し、現在ではほぼ全国に分布しています。江の島では道ばたや空き地などで普通に見ることができます。茎は中空で直立し、多数の稜があり、上部には腺毛が見られ、茎に傷をつけると白い汁がでます。同属のハルノノゲシに似ていますが、より大形で高さは50~100㌢になります。葉は互生し、葉の基部は茎を抱きます。葉の長さは15~25㌢、濃緑色で厚く光沢があり、縁は羽状に切れ込み多数の裂片が太い刺状になって、触るとひどい痛みを感じます。葉脈は裏面に飛び出ます。花期は3~10月、頭花は黄色の舌状花のみで、直径は約2㌢、舌片の先端は5裂し、花序の基部を包む総苞には刺があります。
果実はそう果で、熟すと褐色になり、白色の冠毛が多数つき、風を受けて種子を散布します。名前の由来は、同じキク科のノゲシ(野芥子)に草姿が似て、葉縁の刺があらあらしく、触ると痛いことから、ノゲシに鬼を冠してオニノゲシ(鬼野芥子)になったとされています。両方とも生育場所はほぼ同じですが、オニノゲシの葉には光沢があり、葉質はやや硬く、縁に刺があり触ると痛みを感じます。また茎を抱く葉のつけ根は完全にくっついています。一方、ノゲシの葉には光沢はなく、柔らかくて触っても痛みはありません。また葉のつき方もオニノゲシと異なり、つけ根が三角状に突き出してその先端は尖ります。同じキク科のアキノノゲシ(秋の野芥子)もオニノゲシと同じような場所に生育しますが、茎の高さが2㍍と大形、花期は8~11月、頭花は淡黄色で円錐花序につけます。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2022年02月10日