江の島の植物・イチジク
2022年08月10日 写真&文:坪倉 兌雄
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イチジク(無花果)Ficus caricaはクワ科イチジク属の落葉小高木で雌雄異株、原産地は西アジアで、世界最古の栽培植物とされ、日本へは寛永年間(1624~44年)に渡来したとされています。イチジクの雄花と雌花は、いずれも花嚢の中に咲き、花嚢の先端にある穴(目)からイチジクコバチが入り込んで受粉を助け、花嚢は果嚢(果実)になります。しかし日本にはイチジクコバチがいないので、受粉を必要としない栽培品種(単為結果性品種)が栽培されています。江の島では、参道わきや江の島大師境内などでイチジクを見ることができます。幹は滑らかで灰褐色、樹形は不規則によく成長し、高さは3~4㍍になります。葉は互生し、葉柄の長さは2~5㌢。葉身は20~30㌢、幅15~25㌢で肉質、掌状に3~5裂し、基部は心形、葉の表裏はややざらつき、縁に不規則な鋸歯があります。
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6~9月葉腋に、緑色で倒卵形の花嚢が1個ずつつき、この中には小さな単性花が密集した状態(陰頭花序)で咲きます。この花が終わると花嚢は果嚢となり、内部に密集する痩果による集合果となります。果嚢が暗紫色に熟すと食用になります。
イチジクの果嚢は下部から上部へと順次暗紫色に熟します。栽培品種は雌株のみで果実に種子はなく、挿し木などによって個体を増やすことができます。イチジクには全体に乳液を満たす乳管細胞があり、枝、葉、果実などを傷つけると乳白色の液体が出ます。この液体には蛋白質分解酵素があり、皮膚にできたイボとりに効果があるとされています。しかしそれ以外の皮膚につくとかぶれることがあるので注意が必要です。生薬では無花果(むかか)、無花果葉(むかかよう)といいい、便秘(果実)、痔(葉)、神経痛(葉)などに効果があるとされています。名前の由来は、中国名の映日果(インジークオ)から転じたもの、など諸説があります。
イチジクの果嚢は下部から上部へと順次暗紫色に熟します。栽培品種は雌株のみで果実に種子はなく、挿し木などによって個体を増やすことができます。イチジクには全体に乳液を満たす乳管細胞があり、枝、葉、果実などを傷つけると乳白色の液体が出ます。この液体には蛋白質分解酵素があり、皮膚にできたイボとりに効果があるとされています。しかしそれ以外の皮膚につくとかぶれることがあるので注意が必要です。生薬では無花果(むかか)、無花果葉(むかかよう)といいい、便秘(果実)、痔(葉)、神経痛(葉)などに効果があるとされています。名前の由来は、中国名の映日果(インジークオ)から転じたもの、など諸説があります。
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2022年08月10日
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