江の島の植物・メマツヨイグサ
江の島では広場の片隅や道路わき、海辺などに生育し、発芽した根生葉の中央脈はしばしば赤味を帯びてロゼット状で越年します
江の島では広場の片隅や道路わき、海辺などに生育し、発芽した根生葉の中央脈はしばしば赤味を帯びてロゼット状で越年します
江の島の植物・メマツヨイグサ
2022年09月25日 写真&文:坪倉 兌雄
メマツヨイグサ(雌待宵草)Oenothera biennisはアカバナ科マツヨイグサ属の越年草で、北アメリカ原産の帰化植物、日本へは明治後期に渡来したとされ、各地の道ばた、荒れ地、川端などで普通に見ることができます。江の島では広場の片隅や道路わき、海辺などに生育し、発芽した根生葉の中央脈はしばしば赤味を帯びてロゼット状で越年します。茎はやや赤味を帯び、枝をだして立ち上がりますが、群生状態ではあまり枝を分けません。高さは0.3~1.5㍍で、上向きの伏毛があります。茎葉に柄はなく、葉は長楕円形で長さ5~20㌢、幅2~5㌢で、縁に波状の鋸歯があり、先端は尖り、中央脈はやや赤味をおびます。花期は7~9月、花は黄色で茎の頂端につき、夕方に咲き始め翌朝にしぼむ1日花ですが、江の島では昼間でも花を見ることができます。
花柄はなく、花の径は約3㌢で花弁は4個、雄しべは8個、雌しべは1個で、花柱は長く柱頭は4裂に。萼片は4個で黄緑色を帯び、開花時に反り返ります。子房下位で、萼の下部は3~5㌢の筒状に。果実は蒴果で、熟すと4片に裂けて種子を出します。名前の由来は、オオマツヨイグサ(大待宵草)に似るが、花がそれよりも小さいことからメマツヨイグサの名がついたとされています。また荒地などに生育することから、アレチマツヨイグサ(荒地待宵草)とも呼ばれています。江の島では同じ帰化植物で、コマツヨイグサ、マツヨイグサなどの近縁種も、道ばたや広場の片隅で見ることができます。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2022年09月25日