喜斎立祥 二代広重と呼ばれた絵師藤澤浮世絵館で「喜斎立祥 二代広重と呼ばれた絵師」が開催されています。
藤澤浮世絵館展示
「喜斎立祥 二代広重と呼ばれた絵師」
2022年11月14日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館では現在「喜斎立祥 二代広重と呼ばれた絵師」が開催されています。浮世絵界を代表する風景画の名手・歌川広重の弟子である二代広重に焦点をあわせた展示です。喜斎立祥(きさいりっしょう)とは、二代広重の晩年の画号です。12月4日(日)まで開催されます。
二代広重は文政9年(1826)に生まれ、弘化年間(1844-48)頃には重宣(しげのぶ)という名前で浮世絵師としての活動を始めました。初代歌川広重の弟子として、師匠と同じように江戸や東海道を中心とした風景画を数多く描いています。
晩年には画号を喜斎立祥に改め、江戸や東海道の名所の風景画や横浜絵を残しています。
企画展示コーナーには、二代広重の作品が、重宣時代、二代広重時代、喜斎立祥時代と大きく三つに分けて展示されています。
二代広重が重宣時代に描いた浮世絵作品が展示されています。重宣時代は風景画を中心に戯画や武者絵も描いていました。
今回の展示では、藤沢浮世絵館所蔵作品に加えて、足立区立郷土博物館と公益社団法人川崎・砂子の里資料館からお借りした作品も数多く展示されており、二代広重の画業の全体像を知ることができます。
足立区立郷土博物館と公益社団法人川崎・砂子の里資料館からお借りした作品も数多く展示されています。
常設展示コーナーもみどころ満載です。東海道五十三次コーナーでは風景画とは何かを、藤沢宿コーナーでは師の画号を継いでいく二代、三代の画業とは何かを、そして江の島コーナーでは画風の継承をテーマに作品が展示されています。そして企画展示コーナーの「喜斎立祥 二代広重と呼ばれた絵師」の展示へとつながる流れとなっています。
東海道五十三次コーナーは「浮世絵の風景画」と題して、江戸時代後期から流行した風景画の変遷と当時活躍した風景画の名手たち(葛飾北斎、歌川広重、二代歌川広重、三代歌川広重など)の作品を紹介しています。
東海道五十三次コーナーのテーマは「浮世絵の風景画」。風景画の名手たちの作品が展示されています。
東海道五十三次コーナーの対面に参考コーナーが設けられていて、浮世絵の始まりから明治時代に至るまでの流れを、「浮世絵成立期」「浮絵・錦絵の発展」「美人画」「役者絵」「風景画(名所絵)」「明治時代の浮世絵」に分けて、解説と作品が展示されています。浮世絵の発展の歴史がよくわかる展示です。
浮世絵のはじまりから明治時代に至るまでの浮世絵の流れを解説したコーナーです。
藤沢宿コーナーでは「引き継がれる画号と、受け継がれるコラボレーション」と題して、「二代〇〇」「三代〇〇」という画号を引き継いだ絵師たちの作品を展示しています。また、「合筆」といういわば浮世絵師同士のコラボレーションによる作品も展示されています。
藤沢宿コーナーのテーマは「引き継がれる画号と、受け継がれるコラボレーション」です。
江の島コーナーですが、「初代、二代、三代の広重が描く江の島」と題して、三人の広重の描く江の島作品を展示しています。それぞれの壁ごとに似た構図の作品が展示されていて、お互いを比較しながら鑑賞することができます。
江の島コーナーのテーマは「初代、二代、三代の広重が描く江の島」。それぞれの壁ごとに似た構図の作品が展示されています。
二代広重は初代があまりにも偉大だったため影の薄い存在ですが、江の島や藤沢宿を描いた作品も多く残していて、藤澤浮世絵館にとっても大切な浮世絵師の一人といえるのではないでしょうか。
今回の展示は、企画展示コーナーをはじめとして各コーナーとも展示のコンセプトが明確でみどころ満載の展示会だと思いました。
●学芸員によるみどころ解説が行われます。
・日にち:2022年12月3日(土)
・時 間:11:00~11:30/15:00~15:30(各回同一内容)
・会 場:藤澤浮世絵館交流スペース
・定 員:各回20名(申込み先着順)
・参加費:無料
・11月23日(水・祝)より申し込みの受付が開始されます。
ご希望の方は藤澤浮世絵館に電話またはファックス・Eメールでお申し込
み下さい。イベント名、氏名、電話番号、日にちと希望時間を明記願います。
電話:0466-33-0111 ファックス:0466-30-1817
Eメール:fj-ukiyoe★city.fujisawa.lg.jp ★を@に替えてください。
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページ(下記)では、展示作品の解説が展示期間中掲載されています。
あわせてご覧いただければと思います。
http://fujisawa-ukiyoekan.net/collections/top.html
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2022年11月13日