自作バイオリンを作る一年がかりで何とか一丁のバイオリンを仕上げたことから、製作工程を駆け足しでお見せしたいと思います。
自作バイオリンを作る
2022年11月7日 (yano)
鎌倉に弦楽器製作を指導してくれる工房がある事を知り、“これも縁!”と即入会し一年がかりで何とか一丁のバイオリンを仕上げたことから、製作工程の超ダイジェスト版を駆け足しでお見せしたいと思います。
1. 内型を作る
作りたいバイオリンの実物大の資料から採寸し本体の内型を作る。 (厚さ1cm程度のベニア板に寸法を移し、切出し、上下左右のコーナーブロックを付けたもの。)
2. モールドを作る:
側板として強度のあるメープル(楓)材を約1mmの厚さに鉋で削り、熱を加えて曲げ加工、膠で内型に付いたブロック材に接着しモールドとする。
3. 表・裏板の剥ぎ加工
表板はスプルース(松系の材料、軽く弦の振動を増幅させる重要なパーツ)、裏板は側板と同じメープル材(音響性能もあるが楽器強度の確保)。 特に表板は左右対称の振動特性を得る為、同じ木材から切り出した隣合わせの材料の接着面を鉋で正確に平面出しをして膠でシッカリと接着。
4. 表・裏板を作る
前工程の表・裏板をモールドのサイズに合わせ切り出す。次に外側をノミ・大小各種の鉋を使い、目標の厚さ確認しながら掘り進む。 続いて同様な作業を内側に行う。表板の仕上がり厚は3mm前後、裏板は2.5-4.5mm(部分部分で)
5. ネックを作る
メープル材を使い、資料の寸法を移し、鋸、ノミ、小刀などを使って削り加工をする。
6. 白バイオリンを組み上げる
上記工程のモールド(内型を外した後)、表板、制作者ラベルを貼り付けた裏板、ネックを膠で貼り合わせる。
7. ニスを塗る
数回毎に表面を軽くサンドペーパーで平滑にしながら25回程度ニス塗りを行う。(1-2回/日)
8. 完成
表面だけの駆け足説明となったが、省いてしまっている工程・内容も多々あり、又工程毎にも面白い内容もあるので、又の機会に寄稿したいと思っています。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2022年11月7日