江の島の植物・オシロイバナ
原産は熱帯アメリカ,日本各地に広まったものとされています。江の島では参道わきや空き地などで普通に見ることができます。
原産は熱帯アメリカ,日本各地に広まったものとされています。江の島では参道わきや空き地などで普通に見ることができます。
江の島の植物・オシロイバナ
2022年11月25日 写真&文:坪倉 兌雄
オシロイバナ(白粉花)Mirabilis jatapaはオシロイバナ科オシロイバナ属の1年草または多年草で、原産は熱帯アメリカ。江戸時代に渡来し、観賞用に栽培されたものが野生化して、日本各地に広まったものとされています。江の島では参道わきや空き地などで普通に見ることができます。肥大した褐色の塊根から円柱形で多肉質の強靭な茎を直立し、よく分枝して高さはおよそ100㌢になります。葉は対生して葉柄は短く、葉は卵形~三角状卵形で全縁、葉身の長さは5~15㌢、幅は2~10㌢になり、先端は尖ります。花期は8~11月、花序は葉腋につき、花は夕方に開花して翌朝の10時頃まで開く一日花です。花は小枝の先に数個束生し、花弁はなく、萼が筒状に約5㌢伸びて、上部は花弁状になり、直径2~3㌢に、その先端は5裂します。
花の基部を包むのは萼ではなくて総苞です。花被には赤色、白色、黄色、オレンジやピンク色など多くの色がありますが、江の島では赤色と白色が目につきます。雌しべは1本、雄しべは5個あり花糸は細くて上部の葯は球形。花は両性花で芳香があり、スズメガなどによって受粉しますが、他家受粉ができなかった場合には、自家受粉(同花受粉)をして子孫を増やします。果実は総苞に包まれて直径は約7㍉、うねりのある球形で黒く熟し、つぶすと中から白い粉質の胚乳がでます。オシロイバナは日当りのよい場所であれば、特に土壌を選ばないことから素人でも容易に栽培でき、夏から秋にかけて途切れなく咲く一日花で、長く花を楽しむことができます。オシロイバナの名は、貝原益軒の「花譜(1694)にこの名があり、果実の胚乳からでる白い粉質の胚乳を、女性のお化粧に使われるオシロイ(白粉)に見立てものとされています。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2022年11月25日