江の島の植物・アキグミ
江の島では、西緑地などで見ることができますが、雑木として、雑草とともに定期的に刈り取られることから、果実を見ることはほとんどできなくなりました。
江の島では、西緑地などで見ることができますが、雑木として、雑草とともに定期的に刈り取られることから、果実を見ることはほとんどできなくなりました。
江の島の植物・アキグミ
2022年12月10日 写真&文:坪倉 兌雄
アキグミ(秋茱萸)Elaeagnus umbellataはグミ科グミ属の落葉低木で、わが国では、北海道西南部、本州、四国、九州、沖縄、に分布し、日当たりのよい川原や原野に、その群落を見ることができます。江の島では、西緑地やセンタープロムナードなどで見ることができますが、雑木として、雑草とともに定期的に刈り取られることから、果実を見ることはほとんどできなくなりました。アキグミの樹皮は灰黒色で、よく枝分かれして樹高は2~3㍍になり、本年枝は銀色の鱗状毛が密生して白っぽく見えます。葉は互生し、葉柄の長さは5~10㍉で、白い鱗片毛が密生します。葉身は楕円形で長さは4~8㌢の長楕円状披針形でふちは全縁、基部はくさび型で先端は鈍頭。葉の裏面には白い鱗片毛が密生します。
花期は4~5月、葉腋に白い花が数個集まって咲きます。花は白色から、しだいに黄色をおびてきます。花に花弁はなく、萼が長さ5~7㍉の細長い筒状になり、その先端が4裂してとがり、花弁のように見えます。雄しべは4個で、花糸は短く萼筒の内部につきます。雌しべは1個で、子房は萼筒の基部にあり、その上部はややくびれます。花後に萼筒の下部が液質になって肥厚し、6~8㍉の球形~楕円状球形の果実になります。果実は偽果で、短い果柄がつき、種子は約4㍉の楕円形。10~11月に赤く熟すと、やや渋味がありますが食用になり、また果実酒などに用いることもできます。名前はグミの仲間で、秋に実が赤く熟して食べられることからアキグミ(秋茱萸)とよばれ、小さい果実が豆に似ることからマメグミ(豆茱萸)ともよばれています。アキグミによく似たマルバアキグミ(丸葉秋茱萸)は、アキグミの変種とされ、江の島の海岸の岩場などに自生していますが、つる性で果実はアキグミよりやや大きく、葉は円形でかなり大きくて厚いことから、見分けることができます。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2022年12月10日