江の島の植物・ユキヤナギ江の島では住宅地や参道わき、北緑地や亀ヶ岡広場、サムエル・コッキング苑など見ることができます。
江の島の植物・ユキヤナギ
2023年03月25日 写真&文:坪倉 兌雄
ユキヤナギ(雪柳)Spiraea thunberoiiはバラ科シモツケ属の落葉低木で、本州南部以西~四国、九州の川岸の岩場などに生え、庭木や公園などによく植えられています。江の島では住宅地や参道わき、北緑地や亀ヶ岡広場、サムエル・コッキング苑など見ることができます。根元から細い茎を放射状に伸ばし、その枝先は垂れ下がります。若木の茎は褐色で滑らかですが、やがて淡褐色~灰褐色になり、樹高は1~2㍍、枝先はよく垂れ下がります。葉は互生し、長さは2~4.5㌢の狭披針形、葉柄はほとんどなく、葉先は尖り基部はくさび形、縁に鋸歯があります。花期は3~4月、前年枝に無柄の散形花序を多数つけ、花序には直径およそ8㍉の小さな白い花が2~6個つきます。花弁は5個で長さ2~4㍉の広倒卵形、雄しべは約20個あり、雌しべは5個。萼は無毛で、萼片は卵状三角形。
北緑地にて2022/03/14
北緑地にて2022/03/23
花は5弁花
花柄の長さは6~12㍉で、基部に小さい苞が数個つきます。雄しべと雌しべの間に黄色の腺体があります。花が終わると果実ができ、この袋果が熟すと上部が裂開して種子をだします。名前の由来は、垂れ下がった枝が柳の枝に似て、白くて小さい花が雪の降り積もるさまに似ることから雪柳とつけられたとされ、また小さい白い花を米粒に見立て、コゴメバナ・コゴメヤナギなどの別名があります。庭木や公園樹としてよく植栽されていますが、ユキヤナギは繁殖力旺盛で、害虫や病気などにも強く、日向であれば痩せ地でもよく育ちます。かぎられたスペースで育てる場合には、花後に株本から切り戻しておくと、そこから新しい枝が伸びて、翌年には樹高1㍍ぐらいに伸びて花をつけます。ユキヤナギによく似た花に、同属のシジミバナがあり、古くに中国から渡来したとされています。ユキヤナギよりやや遅れて4月に開花し、小さい白色の花が丸く集まった八重咲で、花の直径は8~10㍉に、雄しべや雌しべは退化しています。和名は花をシジミの内臓に見立てたものとされています。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2023年03月25日