今回は、一回目で、下表左の、猛禽類から美声の鳥まで。
ハヤブサ科 (大きさ)33~38cm 撮影:飯田
小型のハヤブサ科の猛禽類です。
農耕地などで、頻繁に停空飛翔を繰り返してネズミなどを探し、見つけると少しずつ高度を下げて、最後はすーっと降りて地上で押さえつけます。
ハトくらいの大きさです。4~5月頃、断崖の横穴や樹洞に営巣して卵を産みます。毎年観察できる水道橋の穴からは、かわいい雛が見られます。
チョウゲンボウなど猛禽類の視力は、紫外線を識別でき、主食であるげっ歯類の尿が反射する紫外線をとらえ捕食を容易にさせているといわれています。
美しい尾羽をしています
タカ科 (大きさ)32~39cm
タカ科ハイタカ属には、オオタカ(大)、ハイタカ(中)、ツミ(小)の3種がいます。
営巣に適した大木のある山地で繁殖しますが、鳩、雀などを食するため、都市公園や河川敷、農耕地などで見られます。
鷹狩りに使われるのは、オオタカ、ハイタカです。また、タカ類は巣を作る時に滅菌作用のあるヒノキなどの針葉樹をを敷く習性があるといわれます
素早く飛び回り小鳥を襲う。「疾(はや)き鷹」が転じてハイタカになったといわれます。
カイツブリ科 (大きさ)26cm 撮影:飯田
カイツブリは、「かきつぶり」(水を掻いて潜る)の意味の変化といわれます。古名は「鳰」で入と鳥と合わせた漢字ですが、これも水に没入する意味です。潜水する鳥の代表として認識されていました。
シギ科 (大きさ)20cm
日本で見られるシギ類の多くは、旅鳥なのですが、イソシギは留鳥です。
カモ科 (大きさ)61cm
カルガモは、春ごろ、よちよち歩きの雛を連れて道路を横断する鳥として有名です。水辺の近くで草むらに巣を作って産卵し、孵化すると親鳥が水辺に導きます。メスだけで子育てをし、孵化した雛はすぐ自分であるき始めます。成鳥はくちばしが黒く、先が黄色いのが特徴です。カルガモは、カモのなかではいちばん大きい(61cm カラスより少し大きい)。
カルガモの子連れの姿がよく見られるのは、他の鴨は冬鳥ですが、カルガモは留鳥だからです。
鴨が餌を採る方法には、水面採餌と潜水採餌がありますが、カルガモは水面採餌で、水面にお尻を出して頭を水に入れて採餌します。
◆サギ類では一番大きい:アオサギ
サギ科 (大きさ)93cm
アオサギは、水辺でシラサギなどとともによく見かけます。アオサギの名は、シラサギとの対比で名がつけられたのだと思います。白鷺より大きく、日本のサギ類では一番大きい全長93cmです。飛び立つとき「グアー」と大きな声で鳴き、翼も大きくなかなか迫力があります。アオサギのクチバシは普段は黄色ですが、繁殖期には写真のように赤くなります。
サギ科 (大きさ)61cm
白いサギ類のことをシラサギと呼びますが、大型のダイサギ、中型のチュウサギ、そして普通によく見られるコサギがいます。
「さぎ」の語源は、白露のような透明な羽をしているので「白鷺(しらさぎ)」といわれます。
ダイサギは首が長く、水面を見つめ首を伸ばしていっきに獲物を捕まえますが、コサギは、黄色い足を震わせながら、魚の獲物を追い出して捕食します。
夏羽(繁殖期)では、冠羽の飾り羽が伸びます。
ヒタキ科 (大きさ)23cm
イソヒヨドリは、留鳥で、磯や岩場のあるに生息しています。境川近辺を散歩していますと、美しい、かわいい囀りの鳥に出会います。雄は、写真(左)のようにコバルトブルーと赤茶色の美しい取り合わせ。
雌は、全身ウズラ模様で薄い茶褐色と水色の地味な鳥です。ヒヨドリと少し似たところがあるのでその名がついていますが、ヒヨドリとは無縁で、ヒタキ科(かつてはツグミ科)です。肉食で、主に地上で甲殻類、昆虫、トカゲなどを捕食します。最近、数が増えて街中でも見かけ、電線や看板、住宅地を飛び回っています。雄が青い部分が多いため「幸せの青い鳥」
とも呼ばれることもあるそうです。
カワセミ科 (大きさ)17cm
カワセミは、羽色が鮮やかで翡翠のような体色から「渓流の宝石」といわれ、藤沢市の指定を受けている皆さんおなじみの「藤沢市の鳥」です。
全長17cm。くちばしは体の割りに長い、魚取りに適した鳥です。
新幹線500系新幹線の先頭形状のデザインは、カワセミが空中から水中に小魚を捕食するダイビングをするときのくちばしから、形状のヒントを得たといわれています。
オスのくちばしは黒いですが、メスは下のくちばしが赤いのでオスと区別できます。
カワセミの青色は色素によるものではなく、羽毛にある微細構造により光の加減で青く見えるそうです。タマムシやシャボン玉がさまざまな色に見えるのと同じ原理(構造色)です。
ヒタキ科 (大きさ)14cm
ルリビタキは、頭から背中が鮮やかな瑠璃色で美しい。夏は山にいますが、寒くなると山を下りて低山帯や郊外の林にやってきます。
カラス科 (大きさ)37cm
オナガは、文字通り体の半分はある 長い尾をしているカラス科の鳥です。
ウ科 (大きさ)81cm
鵜の仲間には、カワウ、ウミウがいます。少し違いはありますが、よく似ています。
鵜は、潜水がやりやすいように、カモなどより一枚多く足指に水かきをもっています。
「鵜の眼鷹の眼」のことわざ通りでき、目は、緑色で光の量をうまく調節でき、特別のまぶたが、ゴーグルの役割をしていて、潜水の達人、魚とりの名人といわれます。
木の上に集団でねぐらをとる性質があり、繁殖も集団で行います。婚姻期は頭部に白い羽が増えます。また、羽が水をあまり弾かないため頻繁に羽を広げて乾かします。鵜飼は、ウミウが使われるそうです(8~15㎡の潜水能力がある)。
クイナ科 (大きさ)32~39cm バン撮影:福岡
クイナ科のバン族に、嘴の上部(額板:おでこ)が白いオオバンと赤いバンがいます。
大きさは、オオバン(39cm:キュッ)の方がバン(32cm:キュルル)より少し大きい。
クイナ科の足は大きく、足指が長くアンバランスなほどの足の大きさに驚かされます。
よく潜水して藻を採食します。指一本一本が木の葉のように広がっています。
そのせいか、泳ぐときに首を前後に振ります。
ムクドリ科 (大きさ)27cm 撮影:福岡
ハッカチョウ(八哥鳥)は、ムクドリによく似た小さなカラスのような鳥です。
ウグイス科 (大きさ)14~16cm 撮影:飯田
「鶯(うぐいす)」は声はよく聞くのですが、殆ど姿を見せません。美しい可愛い姿を思い浮かべますが、わりと地味な姿をしています。
「梅に鶯」「ウグイス色」は、大きさも色も似ているメジロと誤認されたのだと思います。鶯の色は、緑というより暗緑茶です。
巣作りをする繁殖期の夏は、すざましく鳴き叫びます。老鶯(ろうおう)とか乱鶯(らんおう)ともいわれます。
雄が縄張りを宣言するために「ホーホケキョ」と鳴き、「谷渡り」は縄張り侵入者への警告、威嚇です。藪で隠れて子育てをしている雌への合図でもあるようです。
ヒバリ科 (大きさ)17cm
春先、農道を歩いていると、雲雀が空高く飛んでさえずっているのを見かけます。繁殖期の雄の縄張り宣言です。
それ以外は、地上での行動が多く、木や草にはあまり止まりません。丈の低い草が生えている開けた場所を好み地面を歩きながら草の実や昆虫を食べます。
スズメより少し大きいくらいで、頭頂の羽がやや長く冠羽を形成していて、大変可愛らしい。
高空で、ピーチュク、チルルなど長く複雑な節回しさえずるので、ひばりの漢字も「雲雀」と書きますし、他、「告天子(こうてんし)」などとも呼ばれます。英語も「Skylark」と空とつながっています。他方、体の寄生虫を追い出すたびに乾いた砂や土で「砂浴び」をします。
ホウジロ科 (大きさ)17cm
ホオジロは、河川敷や林縁にごく普通に生息する身近な鳥です。頬白(ほほしろ)と書き、頬が白いから名がつけられたと言われています。
キジ科 (大きさ)27cm 撮影:福岡
小綬鶏(こじゅけい)は、鳴き声はよく耳にしますが、なかなか姿が見られません。
最近、里山で、大声で、美しい囀りがよく聞かれます。
■参考・出典:ウィキペディア、「日本野鳥歳時記」大橋弘一著ナツメ社、ヤマケイ文庫「野鳥の名前」ほか