続・湘南のお地蔵さま『庚申(こうしん)の地蔵』
2023年8月7日 (江ノ電沿線新聞)
![庚申(こうしん)の地蔵](/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2915.jpg)
続・湘南のお地蔵さま(80)『庚申(こうしん)の地蔵』
鎌倉市 十二所 中島淳一
鎌倉市 十二所 中島淳一
鎌倉駅からバスに乗り泉水橋で下車。前回紹介した明王院手前に公園があり、その右隣に延命寺跡と呼ばれる場所がある。そこには卵型の無縫(むほう)塔という寺の住職の墓石や石造物が数基あるが、その中に「庚申の地蔵」が祀られる。
総高八十四センチで舟形の上部に地蔵菩薩を示す種子(しゅじ)を刻み、右手に錫杖左手に宝珠を持つ。そのお顔にはうっすらと微笑を浮かべ衣文の表現も丁寧で美しい姿のお地蔵さまである。江戸時代の正徳二年(一七一二)に造立された庚申供養塔で、下段には村民七名と江戸中期に明王院の再興に尽力した住職龍山の名が彫られている。
庚申(信仰)とは六十日に一度訪れる庚申の日の夜に地域の人々が集まり一晩中庚申様に祈り情報交換をする民間信仰で、三年十八回続くと記念にこの供養塔を建てることが多いようである。地域の相互扶助も目的とした。
鎌倉市内にも作例は多いが、中央に彫られるのはこの信仰の主尊青面金剛(しょうめんこんごう)像が多く、地蔵菩薩を彫るのは珍しい。当時の地蔵信仰の高揚が感じられる。
江戸時代に隆盛を極めた庚申信仰だが、今はその名を知る人も少ない。しかしお地蔵さまに手を合わせる人の姿は令和になった今でも途絶えることはない。
総高八十四センチで舟形の上部に地蔵菩薩を示す種子(しゅじ)を刻み、右手に錫杖左手に宝珠を持つ。そのお顔にはうっすらと微笑を浮かべ衣文の表現も丁寧で美しい姿のお地蔵さまである。江戸時代の正徳二年(一七一二)に造立された庚申供養塔で、下段には村民七名と江戸中期に明王院の再興に尽力した住職龍山の名が彫られている。
庚申(信仰)とは六十日に一度訪れる庚申の日の夜に地域の人々が集まり一晩中庚申様に祈り情報交換をする民間信仰で、三年十八回続くと記念にこの供養塔を建てることが多いようである。地域の相互扶助も目的とした。
鎌倉市内にも作例は多いが、中央に彫られるのはこの信仰の主尊青面金剛(しょうめんこんごう)像が多く、地蔵菩薩を彫るのは珍しい。当時の地蔵信仰の高揚が感じられる。
江戸時代に隆盛を極めた庚申信仰だが、今はその名を知る人も少ない。しかしお地蔵さまに手を合わせる人の姿は令和になった今でも途絶えることはない。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。
2023年8月7日
![markenopo](/wp-content/uploads/2023/09/markenopo.png)