湘南の魚と料理 No9 “ホウボウ”
2023年11月15日 (Yano)
スズキ系スズキ目カサゴ亜目ホウボウ科ホウボウ属の分類。
赤い魚体に大きく四角い頭、濃い緑色に淡いブルーの斑のある大きな胸びれが特徴のとても綺麗な魚です。
名前の由来は、釣り上げるとボーボーと鳴くこと(小生も経験していますがボーボーとかホーホーと聞こえました。)、又〈這う魚 はうさかな〉がホウボウに転訛したとも言われています。(胸鰭下部の軟条が脚のような役割をして海底を歩き回る。又、この軟条も餌を感知する感覚器官として機能しているということです。)
生息域は北海道から九州までの比較的浅い砂地で、40cm程度まで成長するということです。
胸鰭が大きく翼のようで、赤い色をしているので、お食い初めの魚としても使われているとのことです。
漁は刺し網、定置網ということですが、湘南の地引き網でもよく見かける魚です。
旬は秋から春にかけてということで、近くの魚屋さんでも最近よく見かけます。
(参照:ほうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、お魚WEB-mag)
今回のホウボウ料理
頭部が大きく歩留まりは悪いがアラが非常にうまいため、煮る、汁などにすると無駄なく使えるという説明がありましたので、今回は刺身の他、和洋の煮付け、汁物を試してみました。
刺身、焼き霜作り
下処理をしてから、結果的に3日ほど冷蔵庫でねかせた白身を、皮を引いたものと、バーナーで厚めの皮を炙って焼き霜作りとした。
厚めに切った白身はもっちりとした食感で、さっぱりとしながら、結構強い旨味があります。
焼き霜作りは、しっかりと炙った厚めの皮に脂が滲み出て、食感と香りが加わり美味しかったです。
みそ汁:
頭、中骨などのアラを湯通しして、昆布だしを加えて豆腐の味噌汁としました。上品な味のスープになりました。
煮付け:
酒、味醂、醤油、砂糖と水で普通の煮付けを作る。煮つけると白身がキュッと締まるが硬くはなく、しっかり・しっとりの食感の白身とホウボウのエキスが溶け込んだ甘めの煮汁がよく合い旨いです。(身が棒状で煮にくいのでアルミ箔をドーム状にした落とし蓋を作ると煮汁が全体に上手く回ります。)
アクアパッツァ:
ニンニクで香りを付けたオリーブ油で両面をしっかりと焼き、白ワインを加えた水で強火で煮汁をかけながら火を通す。途中でトマトを最後にアサリを加え貝が開いたら終了。ホウボウとアサリからでた強い旨い出汁がしっとりとした白身にとてもよく合い本当に美味しい一品となりました。残ったソースもバケットですっかり頂きました。
注)腹骨、血合骨などの小骨も結構硬い魚なので、少し注意が必要です。
今回は和洋の煮物・汁物を作りましたが、中ではアクアパッツァが最も美味しかったです。
今、ホウボウは安価に手に入りますし、アクアパッツァはとても簡単な料理ですので(プロのレベルでは奥が深いもの思いますが?)、是非試されることをお勧めします。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。☑ 2023年11月3日