湘南の魚と料理 No11 “続カワハギ”
2024年2月6日 (Yano)
冬に肝が大きくなり食味の増すカワハギを狙って江の島回りで釣りに挑戦しました。近年数が減っており、当日は急に水温が下がって、又そもそも餌取りが上手く難易度の高い釣り魚の為、と言い訳ばかりですが、厳寒の中、約半日の苦戦の末何とか数匹を確保することが出来ました。
カワハギ:スズキ系フグ目カワハギ科カワハギ属の分類。
青森県〜九州南岸の日本海・太平洋沿岸、瀬戸内海の100mよりも浅い(通常20〜50m)砂地混じりの岩礁地帯に生息しています。
漁はカゴ漁や定置網、刺し網で行いますが、漁獲量はそれほど多くはないということです、又、最近は養殖物も増えてきているということです。
旬は秋から冬。海水温が下がる前に荒食いして肝を太らせる時季になります。
(参照:ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑)
今回のカワハギ料理
前回のNo10では和風の定番料理を作りましたので、今回はこの魚に合うはずの洋風料理にしてみました。しっかりとして旨味の強い白身を生かしたカルパッチョと出汁の旨さが効くアクアパッツァを作りました。
カワハギはその名前の由来である皮が写真の様に簡単に剥けて処理のしやすい魚です。上下左右に縦横無尽に泳ぎ回るための長い細背鰭・腹鰭、そして大きめの頭部の為、刺身を作る時は結構歩留まりが悪い魚です。
食味は生でも火を通しても最高に美味い魚です。特に冬場は肝が大きくなり料理の幅が広がります。
カルパッチョ:
身に弾力があるので薄く削ぎ切りにして、オリーブ油、若干の塩、レモン汁を加えフルーツトマトを合わせました。 肝を軽く湯通ししオリーブ湯、バルサミコ酢と醤油で作った肝ソースで頂きました。
さっぱりとした旨味のある白身と濃厚な肝ソースがとても良く合い、トマトの甘み、柑橘系、バルサミコの酸味が折り合って本当にうまいです。肝醤油で食べる日本風の刺身もなかなかですが、カルパッチョも甲乙つけ難い旨さでした。
アクアパッツァ:
カワハギを骨つきのままオリーブ油をいれたフライパンで両面を焦げ色が付くまで数分焼きます。魚の出汁を加えて強火で沸騰させ魚にスープをかけながら、途中でフルーツトマトを加え10分程度ほど煮ます。最後にアサリを入れ口が空いたら味をみて終了。
しっとりとして骨離れが良い白身には煮汁ソースがからみ本当に美味です。カワハギとアサリの旨味がとけ込んだソースはバケットで残らずきれいに頂きました。日本風のカワハギの煮付けもとても美味ですが、個人的にはアクアパッツァに軍配をあげます。
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