江の島の植物・ハルジオン
2024年04月30日 (坪倉兌雄)
ハルジオン(春紫菀))Erigeron philade-lphicusは、北アメリカ原産のキク科ムカシヨモギ属の多年草で、大正時代に観賞用植物として輸入し、東京で栽培していたものが野生化し、各地に広まったものとされています。江の島では広場や参道わき、空き地などで普通に見ることができます。茎は中空で直立し高さは30~60㌢に、根生葉は長楕円形で花時にも残り、茎や葉には軟毛があります。茎につく葉には葉柄がなく、葉の基部が耳状に広がって茎を抱きます。葉は卵形~長楕円形で互生し、中程につく葉の長さは5~10㌢、幅は1.4~3㌢、縁に粗い鋸歯があり先端は尖ります。花期は4~7月、茎先から枝分かれして、その先端に蕾をつけて垂れ下がります。花は上向きに開花し花径は2~2.5㌢に、中央の筒状花は黄色、外側の舌状花は淡紫色~白色、糸状で多数つきます。
果実は痩果で長さはおよそ1㍉、冠毛があります。ハルジオンは仲間のヒメジョンと共に、日本の侵略的外来種ワースト100の中に含まれており、外来生物法で要注意外来生物に指定されています。和名は同じキク科で、シオン属の多年草「シオン(紫苑)」に似て、春に咲くことからハルジオン(春紫苑)になった、とされています。シオンは朝鮮、中国北東部、シベリアなどが原産とされ、古い時代に渡来した多年草で、平安時代には観賞用の花として用いられていました。本州の中国地方や九州では一部野生化したものが見られるとのこと、茎は直立して1~2㍍に、葉には葉柄があり、卵形でふちに鋸歯があります。花期は8~10月で、枝先から枝分かれして散房状に頭花を多数つけます。根を乾燥させたものを生薬では「シオン」と呼び、たんや咳止めに用いられます。
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